![]() トリにおけるグリコシル化
专利摘要:
卵管組織内に修飾オリゴ糖構造を有するタンパク質を生成するトランスジェニックトリ、およびかかるトリを作製する方法が本明細書中で開示される。本発明はまた、トランスジェニックにおいて生成される修飾タンパク質を含む。 公开号:JP2011508603A 申请号:JP2010541563 申请日:2009-01-07 公开日:2011-03-17 发明作者:アレックス・ジェイ・ハーベイ 申请人:シナジェバ・バイオファーマ・コーポレイションSynageva Biopharma Corp.; IPC主号:A01K67-027
专利说明:
[0001] 関連出願情報 本願は、2008年1月7日に出願されたUS provisional application No. 61/010,207の優先権を主張するものであり、その開示はその全体が参照により本明細書中に援用される。] 背景技術 [0002] 潜在的な商業的用途を有する特定のタンパク質は、哺乳類細胞によって効率的にもたらされる翻訳後修飾を必要としうる。しかし、哺乳類細胞、例えば業界標準のチャイニーズハムスター細胞(CHO)はGMP条件下で成長するのが困難であり、商用目的で必要とされる規模で増殖するための限りない資源を必要としうる。動物に基づくバイオリアクターシステムは、低コスト、低メンテナンスおよび拡張性の容易さを含むことが理由で、CHOおよび他の哺乳類細胞に基づくシステムに対して興味深い代替物である。しかし、治療タンパク質の翻訳後修飾、特にグリコシル化は、特定の動物および植物では、CHO細胞などの哺乳類細胞に対して異なる形でなされる。トランスジェニックトリは、部分的にはその多産卵およびタンパク質生成能が理由で、治療タンパク質バイオリアクターとして巧妙に使用されている。いくつかの例では、ニワトリなどのトリの卵管内に生成されかつ卵内に貯蔵されるタンパク質に結合される糖分子(すなわちオリゴ糖またはグリコシル化構造)は、CHOおよびヒトタンパク質に類似の基本的構造を有することが見出されている。しかし、ヒト患者における生物活性およびバイオアベイラビリティにとって重要でありうる、卵管内で生成される特定のタンパク質上に存在しないいくつかの構造性炭水化物要素が存在する。] [0003] 卵白は、卵管(トリでは哺乳類ファローピウス管に相当する)を横切る際に卵黄の周囲に形成される。卵白形成が生じる卵管の領域はマグナムと称され、専ら卵白タンパク質の合成および分泌を行う管状腺細胞(tubular gland cell)(TGC)と称される細胞が集中する。] [0004] タンパク質上に見出されるグリコシル化構造の2つの主なクラスであるN−およびO−結合オリゴ糖が異なる酵素セットによって合成される。産卵鶏のマグナム内で生成されかつ卵白内に貯蔵されるO−結合オリゴ糖(O−グリカンとも称される)においては、ヒトとトリ卵管の双方において生成されるオリゴ糖構造内に本質的に同じ糖および結合が存在することから、オリゴ糖を生成するための酵素的機構がヒトでのO−グリカンの生成におけるそれに類似するように見られる。] [0005] ニワトリ卵白N−結合オリゴ糖(N−グリカンとも称される)は、ヒトにおいて見出されるものにやや類似した構造を有するが、典型的には末端のガラクトースおよびシアル酸糖が欠如している。特定の治療タンパク質においては、末端のガラクトースおよびシアル酸を有することは、患者におけるバイオアベイラビリティ、ひいては有効性にとって重要でありうる。] [0006] ニワトリ卵管内に生成されるN−グリカン構造上でほとんど存在しないかまたは全く存在しない末端シアル酸残基は、N−グリカンを様々なレクチン(糖分子を認識する受容体)による認識から保護する。末端Galを有するタンパク質は、患者において肝臓内で発現されかつ血液循環から除去されるレクチンによって結合されうる(非特許文献1)。末端GlcNAcを有するN−グリカンを有するタンパク質(典型的にはニワトリ卵管内で生成されるタンパク質の場合)またはマンノースはマクロファージ上に発現されるレクチンによって結合され、さらに除去されることになる(非特許文献2)。これらの結果は、有効性を低減することが多い短い半減期を有するタンパク質をもたらしうる。] [0007] 興味深いことに、ニワトリにおける他の器官内で生成され、例えば血中に見出されるN−グリカンは、典型的にはGalおよび/またはシアル酸で終結される(非特許文献3;非特許文献4)。したがって、ニワトリゲノムが完全にシアリル化されたN−グリカンの合成に必要とされる酵素のすべてをコードする遺伝子を有することは明白である。] [0008] ニワトリ卵白に由来するN−グリカンにおいては、低い割合(%)の分岐がGalによって占有され、かつ低い割合(%)のそれらのGalがシアル酸によってキャッピングされる。卵白O−グリカンにおいては、高い割合(%)の分岐がシアル酸によってキャッピングされる。卵白タンパク質内には、主にO−グリカン修飾卵白タンパク質が豊富であることから、大量のガラクトースおよびシアル酸が存在する(非特許文献5;非特許文献6;非特許文献7)。N−およびO−グリカン合成経路はGalおよびシアル酸の同じプールを共有する(非特許文献8)。したがって、TGCにおけるグリカン合成において使用可能なGalおよびシアル酸のレベルは高く、制限要因であるはずがない。] [0009] 哺乳類における関連酵素について知られることに加え、卵白N−グリカンの構造は、卵白N−グリカン構造を生じさせる細胞機構に関する手掛かりを与える。哺乳類においては、N−グリカンの合成は、2個のGlcNAc残基および多数のマンノースおよびグルコース残基を含むドリコールオリゴ糖前駆体の合成により、小胞体において開始する。この複合体は標的タンパク質のアスパラギンに結合される。前駆体は、様々なグリコシダーゼ(コア五糖とも称される)により、3個のマンノースおよび2個のGlcNac残基に削られる。次いで、GlcNac、Galおよびシアル酸残基は、グリコシルトランスフェラーゼによって連続的に付加される。おそらく様々なグリコシルトランスフェラーゼの細胞内レベルおよび成長するN−グリカン分岐上の遊離アクセプタ部位におけるグリコシルトランスフェラーゼ間の競合に起因し、N−グリカン構造の多様性が優勢になるのはこの段階である(非特許文献8)。] [0010] GlcNacを始め、N−グリカンのトリマンノシルコア(trimannosyl core)へのGlcNAcの付加に関与する少なくとも6つのN−アセチルグルコサミニルトランスフェラーゼ(GnT)が存在する。卵白N−グリカンの高レベルの分岐は、6つ全てのGnTがニワトリの卵管細胞内である程度まで発現されうることを示す。] [0011] 本明細書中でGalTと称されるガラクトシルトランスフェラーゼ(例えばβ1,4ガラクトシルトランスフェラーゼ)は、N−およびO−グリカンの形成において異なるとともに重複する役割を有する少なくとも7つのメンバーのファミリーである。GalT1(タイプ1)は、主にN−グリカン上のすべての結合のGlcNac残基へのGalの付加に関与すると考えられる(非特許文献9)。他のファミリーのメンバー、特にタイプ2および3は、N−グリカン合成におけるそれらの実際の役割は小さいように見られるが、この転移を触媒可能であると考えられる。GalT1は、レベルは変化しうるが、典型的には全細胞種内でよく見られる様式で発現される。] [0012] シアリルトランスフェラーゼ(SialT)ファミリーは、シアル酸のGalまたはN−アセチルガラクトサミン(GalNac)(O−結合グリカンの場合)および他のアクセプタへの付加を触媒する。N−およびO−グリカンに関しては、シアル酸の付加は、関連する特定のSialTに依存し、α2,3またはα2,6のいずれかの結合によってもたらされる。ヒトN−グリカンは、α2,3およびα2,6結合の一方または双方を有しうる。CHOで生成されるN−グリカンは、α2,6 SialTの発現の欠如に起因し、α2,3結合のみを有する(非特許文献10)。卵白N−グリカンおよびO−グリカンはまた、α2,3結合を介してのみ結合されるように見られる。] [0013] α2,3 SialTファミリーには6つのメンバーが存在する。タイプ1および2は、Gal−GalNAc鎖をアクセプタとして使用する際、O−グリカンの合成に関与しうる。タイプ3、4および6は、明らかにシアル酸をGal−GlcNacで終結する鎖に付加可能であり、かつN−グリカンおよびO−グリカンの合成に関与しうる。タイプ5は、O−グリカンまたはN−グリカンの合成に関与しないように見られるが、そうではなくセラミドを有する化合物へのシアル酸の付加に関与しうる(非特許文献11)。ニワトリ胚におけるタイプ1(SialT1)の発現分析以外で、トリα2,3 SialTファミリーについて知られていることは極めて少ない(非特許文献12)。] [0014] 現在、卵白グリカン内での最後(すなわち末端)または末端から2番目(すなわち最後から2番目)の位置でのGalのレベルが約10%未満であり、かつ末端シアル酸におけるレベルが約2%未満であることが推定されている。必要とされるのは、より多量のガラクトースおよび/またはシアル酸がN−結合オリゴ糖に付加される場合に、卵管組織内、例えばマグナム組織内でグリコシル化タンパク質を生成するトリである。] 先行技術 [0015] Ashwell and Morell. Adv Enzymol Relat Areas Mol Biol 41: 99-128, 1974 Schlesinger, et al. Biochem J 192: 597-606, 1980 Ito, et al. Rapid Commun Mass Spectrom 20: 3557-65, 2006 Raju, et al. Glycobiology 10: 477-86., 2000 Feeney, et al. J Biol Chem 235: 2633-7, 1960 Feeney, et al. J Biol Chem 235: 2307-11, 1960 Robinson and Monsey.Biochem J 147: 55-62,1975 Varki, et al. Essentials of Glycobiology. Plainview, NY, Cold Spring Harbor Laboratory Press, 1999 Lee, et al. J Biol Chem 276: 13924-34, 2001 Lee, et al. J Biol Chem 264: 13848-55, 1989 Harduin-Lepers, et al. Biochimie 83: 727-37, 2001 Kurosawa, et al. Biochim Biophys Acta 1244: 216-22, 1995] 発明が解決しようとする課題 [0016] GalからN−グリカンへの転移に関与する鍵酵素がTGCにおいて発現されないことが発見されている。これは、シアル酸がGal残基を介して専らN−グリカンに結合されることから、特に重要である。また、N−グリカン上でシアル酸をGalに転移させる酵素が発現されるが、それは効率的なシアリル化を阻害するように見られるレベルであることが発見されている。これらの発見により、部分的には、末端のシアル酸残基およびGal(例えば末端から2番目のGal)残基のより完全な相補体とともにオリゴ糖構造(例えばN−結合オリゴ糖構造)を有する治療タンパク質(例えばヒト治療タンパク質)を生成する本発明のトランスジェニックトリが得られている。これらのトリは、本明細書中で「トランス遺伝子が増強されたグリコシル化」トリと称されることが多い。] 課題を解決するための手段 [0017] 本発明は、発現されるグリコシルトランスフェラーゼコード配列を有するゲノム内にトランス遺伝子を有するトランスジェニックトリ(例えばトランスジェニックニワトリ)を含む。本発明はまた、トランスジェニックトリを作製する方法を含む。トランスジェニックトリの卵管組織、例えばマグナム組織(例えば管状腺細胞)は、トランス遺伝子の不在下であれば存在しないことになる少なくとも1つの糖を有するN−結合オリゴ糖を有するタンパク質(例えば外因性タンパク質、例えば治療タンパク質)を生成しうる。また、本発明においては、本明細書中で開示されるように生成される修飾オリゴ糖パターンを有するタンパク質も含まれる。] [0018] 一実施形態では、グリコシルトランスフェラーゼはN−アセチルグルコサミニルトランスフェラーゼ、例えばN−アセチルグルコサミニルトランスフェラーゼ3であり、かつ糖はN−アセチルグルコサミンである。] [0019] 別の実施形態では、グリコシルトランスフェラーゼはガラクトシルトランスフェラーゼ(例えばガラクトシルトランスフェラーゼタイプ1)であり、かつ糖はガラクトースである。一実施形態では、トランス遺伝子が増強されたガラクトシルトランスフェラーゼ(例えばガラクトシルトランスフェラーゼタイプ1)トリの卵管内で生成される外因性タンパク質(例えば治療タンパク質)は、シアル酸を付加するための基質として使用されうる。例えば、周知のインビトロ方法を用い、シアル酸は、卵管内の組換えまたは外因性ガラクトシルトランスフェラーゼによりオリゴ糖構造に付加されているGalに結合される。] [0020] 別の実施形態では、グリコシルトランスフェラーゼはシアリルトランスフェラーゼ(例えばシアリルトランスフェラーゼタイプ3)であり、かつ糖はシアル酸である。] [0021] 一実施形態では、本発明のトランスジェニックトリの卵管組織の細胞は卵白の存在下でタンパク質を分泌する。] [0022] 一実施形態では、本発明のトランス遺伝子は、卵管に特異的なプロモーターの少なくとも1つおよびLTRなどのレトロウイルスの少なくとも一部を含む。] [0023] 本発明の一態様は、改変されたオリゴ糖パターンを有するタンパク質の単離または精製に関する。] [0024] 1つの特定の実施形態では、本発明は、トリにおけるタンパク質を生成する方法に関し、ここでタンパク質はトリに対して外因性である。方法は、グリコシルトランスフェラーゼをコードするトランス遺伝子を有するトランスジェニックトリを生成するステップを含み、ここでトリの卵管組織は、第2のトランス遺伝子によってコードされかつN−結合オリゴ糖を有する外因性タンパク質を生成し得る。N−結合オリゴ糖は、ガラクトースおよびそれに結合されたシアル酸の中の少なくとも1つを有することになり、ここでオリゴ糖は、グリコシルトランスフェラーゼをコードするトランス遺伝子の不在下であれば結合されたガラクトースおよび/またはシアル酸を有しないことになる。] [0025] 本発明は、マグナム(例えば管状腺細胞)などのニワトリ卵管組織内に比較的少量で存在することが見出された、オリゴ糖構造の合成に関与する酵素におけるコード配列を有するトランス遺伝子を有するトランスジェニックトリを含む。例えば、酵素は、卵管組織内に、トリにおける他の組織内に見出される場合より少ない量で存在しうる。例えば酵素は卵管組織内に、肝組織および腎組織などのトリにおける他の組織内で平均的に見出される場合に対して約90%未満の量で存在しうるか、または例えば酵素は卵管組織内に、肝組織および腎組織などのトリにおける他の組織内で平均的に見出される場合に対して約80%未満の量で存在しうるか、または例えば酵素は卵管組織内に、肝組織および腎組織などのトリにおける他の組織内で平均的に見出される場合に対して約70%未満の量で存在しうるか、または例えば酵素は卵管組織内に、肝組織および腎組織などのトリにおける他の組織内で平均的に見出される場合に対して約60%未満の量で存在しうるか、または例えば酵素は卵管組織内に、肝組織および腎組織などのトリにおける他の組織内で平均的に見出される場合に対して約50%未満の量で存在しうるか、または例えば酵素は卵管組織内に、肝組織および腎組織などのトリにおける他の組織内で平均的に見出される場合に対して約30%未満の量で存在しうるか、または例えば酵素は卵管組織内に、肝組織および腎組織などのトリにおける他の組織内で平均的に見出される場合に対して約20%未満の量で存在しうるか、または例えば酵素は卵管組織内に、肝組織および腎組織などのトリにおける他の組織内で平均的に見出される場合に対して約10%未満の量で存在しうる。] [0026] 本発明はまた、本発明のトランス遺伝子を有するベクターを含む。本発明によって使用されるベクターは、本発明のトランス遺伝子をニワトリゲノムに組み込み、卵白タンパク質を作る卵管の細胞内で酵素を発現するように設計される。任意の有用なベクターを使用し、トランス遺伝子が増強されたグリコシル化トリ(glycosylation avian)などの本発明のトリを生成可能である。一部の有用なベクターは、レトロウイルスベクターおよびアデノウイルスベクターなどのウイルスベクター、プラスミド、ならびにトリゲノムの一部になりうる(すなわちゲノムに組み込まれる)他のヌクレオチド配列を含む。] [0027] 非感染性核酸ベクターなどの他の有用なベクターが本明細書中での使用として考えられる。例えば、部位特異的DNA組込み、インテグラーゼ媒介性組込みおよび人工染色体もまた本発明による使用が考えられる。] [0028] 本発明による使用が考えられるトリレトロウイルスの例として、限定はされないが、トリ白血病/白血症ウイルス(ALV)、例えばまた限定はされないが、RAV−0、RAV−1、RAV−2;トリ肉腫ウイルス(ASV);トリ肉腫/急性白血病ウイルス(ASLV)が挙げられ、ここでは限定はされないが、ラウス肉腫ウイルス(RSV);藤浪肉腫ウイルス(FSV);トリ骨髄芽球症ウイルス(AMV);トリ赤芽球症ウイルス(AEV);トリ骨髄球腫症ウイルス(MCV)、例えばまた限定はされないが、MC29;細網内皮症ウイルス(REV)、例えばまた限定はされないが、脾臓壊死ウイルス(SNV)が挙げられる。本発明ではまた、ネズミ白血病ウイルス(MLV);モロニー(Moloney)マウス肉腫ウイルス(MMSV);モロニーネズミ白血病ウイルス(MMLV);およびレンチウイルス(例えば、ヒト免疫不全ウイルス(HIV)、ウマ伝染性貧血ウイルス(EIAV)、ネコ免疫不全ウイルス(FIV)、ウシ免疫不全ウイルス(BIV)およびサル免疫不全ウイルス(SIV)、およびこれらのレトロウイルスの複製欠損型)の使用が考えられる。典型的には、本発明に従って使用されるレトロウイルスベクターは複製欠損性である。] [0029] また、感染性DNAが生殖細胞系伝達、例えばde Lavoir et al, June 8, 2006, Nature vol 441, p 766-769(その開示はその全体が参照により本明細書中に援用される)において報告されているものをもたらすのに必要とされない場合、他の方法を用い、トランス遺伝子が増強されたグリコシル化トリが生成されうる。] [0030] 一実施形態では、本発明は、GalT1、GalT2、GalT3、GalT4、GalT5、GalT6および/またはGalT7をコードするトランス遺伝子をゲノム内に有し、かつ末端位置で完全にまたは実質的にガラクトースによって占有されるN−グリカンを有する組換えタンパク質、例えば治療タンパク質を卵管組織内、例えばマグナム組織内(例えば管状腺細胞内)に生成する、トランス遺伝子が増強されたグリコシル化トリに関する。例えば、本発明に従って生成される外因性タンパク質(例えば治療タンパク質)は、末端位置で約30%がガラクトースによって占有されるN−グリカン構造を有しうるか、または例えば外因性タンパク質は、末端位置で約40%がガラクトースによって占有されるN−グリカン構造を有しうるか、または例えば外因性タンパク質は、末端位置で約50%がガラクトースによって占有されるN−グリカン構造を有しうるか、または例えば外因性タンパク質は、末端位置で約60%がガラクトースによって占有されるN−グリカン構造を有しうるか、または例えば外因性タンパク質は、末端位置で約70%がガラクトースによって占有されるN−グリカン構造を有しうるか、または例えば外因性タンパク質は、末端位置で約80%がガラクトースによって占有されるN−グリカン構造を有しうるか、または例えば外因性タンパク質は、末端位置で約90%がガラクトースによって占有されるN−グリカン構造を有しうるか、または例えば外因性タンパク質は、末端位置で約95%がガラクトースによって占有されるN−グリカン構造を有しうるか、または例えば外因性タンパク質は、末端位置で100%がガラクトースによって占有されるN−グリカン構造を有しうる。] [0031] 一実施形態では、本発明は、1つ以上のGalT1、GalT2、GalT3、GalT4、GalT5、GalT6およびGalT7をコードするトランス遺伝子をゲノム内に有し、かつ末端から2番目の位置で完全にまたは実質的にガラクトースによって占有されるN−グリカンを有する組換えタンパク質、例えば治療タンパク質を卵管組織内、例えばマグナム組織内(例えば管状腺細胞内)に生成する、トランス遺伝子が増強されたグリコシル化トリに関する。例えば、本発明に従って生成される外因性タンパク質(例えば治療タンパク質)は末端から2番目の位置で約30%がガラクトースによって占有されるN−グリカン構造を有しうるか、または例えば外因性タンパク質は、末端から2番目の位置で約40%がガラクトースによって占有されるN−グリカン構造を有しうるか、または例えば外因性タンパク質は、末端から2番目の位置で約50%がガラクトースによって占有されるN−グリカン構造を有しうるか、または例えば外因性タンパク質は、末端から2番目の位置で約60%がガラクトースによって占有されるN−グリカン構造を有しうるか、または例えば外因性タンパク質は、末端から2番目の位置で約70%がガラクトースによって占有されるN−グリカン構造を有しうるか、または例えば外因性タンパク質は、末端から2番目の位置で約80%がガラクトースによって占有されるN−グリカン構造を有しうるか、または例えば外因性タンパク質は、末端から2番目の位置で約90%がガラクトースによって占有されるN−グリカン構造を有しうるか、または例えば外因性タンパク質は、末端から2番目の位置で約95%がガラクトースによって占有されるN−グリカン構造を有しうるか、または例えば外因性タンパク質は、末端から2番目の位置で100%がガラクトースによって占有されるN−グリカン構造を有しうる。] [0032] 一実施形態では、本発明は、1つ以上のGalT1、GalT2、GalT3、GalT4、GalT5、GalT6およびGalT7をコードするトランス遺伝子をゲノム内に有し、かつ末端位置で完全にまたは実質的にシアル酸によって占有されるN−グリカンを有する組換えタンパク質、例えば治療タンパク質を卵管組織内、例えばマグナム組織内(例えば管状腺細胞内)に生成する、トランス遺伝子が増強されたグリコシル化トリに関する。例えば、外因性タンパク質は、末端位置で約30%がシアル酸によって占有されるN−グリカン構造を有しうるか、または例えば外因性タンパク質は、末端位置で約40%がシアル酸によって占有されるN−グリカン構造を有しうるか、または例えば外因性タンパク質は、末端位置で約50%がシアル酸によって占有されるN−グリカン構造を有しうるか、または例えば外因性タンパク質は、末端位置で約60%がシアル酸によって占有されるN−グリカン構造を有しうるか、または例えば外因性タンパク質は、末端位置で約70%がシアル酸によって占有されるN−グリカン構造を有しうるか、または例えば外因性タンパク質は、末端位置で約80%がシアル酸によって占有されるN−グリカン構造を有しうるか、または例えば外因性タンパク質は、末端位置で約90%がシアル酸によって占有されるN−グリカン構造を有しうるか、または例えば外因性タンパク質は、末端位置で約95%がシアル酸によって占有されるN−グリカン構造を有しうるか、または例えば外因性タンパク質は、末端位置で約100%がシアル酸によって占有されるN−グリカン構造を有しうる。] [0033] 一実施形態では、本発明は、1つ以上のGalT1、GalT2、GalT3、GalT4、GalT5、GalT6およびGalT7をコードするトランス遺伝子をゲノム内に有し、かつ組換えタンパク質、例えば治療タンパク質を卵管組織内、例えばマグナム組織内(例えば管状腺細胞内)に生成する、トランス遺伝子が増強されたグリコシル化トリに関し、ここではオリゴ糖の3つのGlcNac残基のうち1つが、結合されたガラクトース残基を有し、または例えばここではオリゴ糖の3つのGlcNac残基のうち2つが、結合されたガラクトース残基を有し、または例えばここではオリゴ糖の3つのGlcNac残基のうち3つが、結合されたガラクトース残基を有し、または例えばここではオリゴ糖の4つのGlcNac残基のうち1つが、結合されたガラクトース残基を有し、または例えばここではオリゴ糖のGlcNac残基の4つのうち2つが、結合されたガラクトース残基を有し、または例えばここではオリゴ糖の4つのGlcNac残基のうち3つが、結合されたガラクトース残基を有し、または例えばここではオリゴ糖の4つのGlcNac残基のうち4つが、結合されたガラクトース残基を有し、または例えばここではオリゴ糖の5つのGlcNac残基のうち1つが、結合されたガラクトース残基を有し、または例えばここではオリゴ糖の5つのGlcNac残基のうち2つが、結合されたガラクトース残基を有し、または例えばここではオリゴ糖の5つのGlcNac残基のうち3つが、結合されたガラクトース残基を有し、または例えばここではオリゴ糖の5つのGlcNac残基のうち4つが、結合されたガラクトース残基を有し、または例えばここではオリゴ糖の5つのGlcNac残基のうち5つが、結合されたガラクトース残基を有する。] [0034] 一実施形態では、本発明は、1つ以上のSialT1、SialT2、SialT3、SialT4、SialT5およびSialT6をコードするトランス遺伝子をゲノム内に有し、かつ組換えタンパク質、例えば治療タンパク質を卵管組織内、例えばマグナム組織内(例えば管状腺細胞内)に生成する、トランス遺伝子が増強されたグリコシル化トリに関し、ここではオリゴ糖の1つのガラクトース残基のうち1つが、結合された末端シアル酸残基を有し、または例えばここではオリゴ糖の2つのガラクトース残基のうち1つが、結合された末端シアル酸残基を有し、または例えばここではオリゴ糖の2つのガラクトース残基のうち2つが、結合された末端シアル酸残基を有し、または例えばここではオリゴ糖の3つのガラクトース残基のうち1つが、結合された末端シアル酸残基を有し、または例えばここではオリゴ糖の3つのガラクトース残基のうち2つが、結合された末端シアル酸残基を有し、または例えばここではオリゴ糖の3つのガラクトース残基のうち3つが、結合された末端シアル酸残基を有し、または例えばここではオリゴ糖の4つのガラクトース残基のうち1つが、結合された末端シアル酸残基を有し、または例えばここではオリゴ糖の4つのガラクトース残基のうち2つが、結合された末端シアル酸残基を有し、または例えばここではオリゴ糖の4つのガラクトース残基のうち3つが、結合された末端シアル酸残基を有し、または例えばここではオリゴ糖の4つのガラクトース残基のうち4つが、結合された末端シアル酸残基を有し、または例えばここではオリゴ糖の5つのガラクトース残基のうち1つが、結合された末端シアル酸残基を有し、または例えばここではオリゴ糖の5つのガラクトース残基のうち2つが、結合された末端シアル酸残基を有し、または例えばここではオリゴ糖の5つのガラクトース残基のうち3つが、結合された末端シアル酸残基を有し、または例えばここではオリゴ糖の5つのガラクトース残基のうち4つが、結合された末端シアル酸残基を有し、または例えばここではオリゴ糖の5つのガラクトース残基のうち5つが、結合された末端シアル酸残基を有し、または例えばここではオリゴ糖の6つのガラクトース残基のうち1つが、結合された末端シアル酸残基を有し、または例えばここではオリゴ糖の6つのガラクトース残基のうち2つが、結合された末端シアル酸残基を有し、または例えばここではオリゴ糖の6つのガラクトース残基のうち3つが、結合された末端シアル酸残基を有し、または例えばここではオリゴ糖の6つのガラクトース残基のうち4つが、結合された末端シアル酸残基を有し、または例えばここではオリゴ糖の6つのガラクトース残基のうち5つが、結合された末端シアル酸残基を有し、または例えばここではオリゴ糖の6つのガラクトース残基のうち6つが、結合された末端シアル酸残基を有する。] [0035] 一実施形態では、本発明は、非トランスジェニックトリに対してシアル酸で終結する分岐の百分率が増加したN−グリカンをマグナム組織などのその卵管組織内(例えば管状腺細胞内)に生成する、1つ以上のSialT1、SialT2、SialT3、SialT4、SialT5およびSialT6をコードするトランス遺伝子をゲノム内に有するトランスジェニックニワトリを提供する。例えば外因性タンパク質は、末端位置で30%がシアル酸によって占有されるN−グリカン構造を有しうるか、または例えば外因性タンパク質は、末端位置で40%がシアル酸によって占有されるN−グリカン構造を有しうるか、または例えば外因性タンパク質は、末端位置で50%がシアル酸によって占有されるN−グリカン構造を有しうるか、または例えば外因性タンパク質は、末端位置で60%がシアル酸によって占有されるN−グリカン構造を有しうるか、または例えば外因性タンパク質は、末端位置で70%がシアル酸によって占有されるN−グリカン構造を有しうるか、または例えば外因性タンパク質は、末端位置で80%がシアル酸によって占有されるN−グリカン構造を有しうるか、または例えば外因性タンパク質は、末端位置で90%がシアル酸によって占有されるN−グリカン構造を有しうるか、または例えば外因性タンパク質は、末端位置で95%がシアル酸によって占有されるN−グリカン構造を有しうるか、または例えば外因性タンパク質は、末端位置で100%がシアル酸によって占有されるN−グリカン構造を有しうる。] [0036] 一実施形態では、本発明は、1つ以上のGalT1、GalT2、GalT3、GalT4、GalT5、GalT6、GalT7、SialT1、SialT2、SialT3、SialT4、SialT5およびSialT6をコードするトランス遺伝子、例えばGalT1およびSialT3をコードするトランス遺伝子をゲノム内に有し、かつ組換えタンパク質、例えば治療タンパク質を卵管組織内、例えばマグナム組織内(例えば管状腺細胞内)に生成する、トランス遺伝子が増強されたグリコシル化トリに関し、ここではオリゴ糖の1つのガラクトース残基のうち1つが、結合された末端シアル酸残基を有し、または例えばここではオリゴ糖の2つのガラクトース残基のうち1つが、結合された末端シアル酸残基を有し、または例えばここではオリゴ糖の2つのガラクトース残基のうち2つが、結合された末端シアル酸残基を有し、または例えばここではオリゴ糖の3つのガラクトース残基のうち1つが、結合された末端シアル酸残基を有し、または例えばここではオリゴ糖の3つのガラクトース残基のうち2つが、結合された末端シアル酸残基を有し、または例えばここではオリゴ糖の3つのガラクトース残基のうち3つが、結合された末端シアル酸残基を有し、または例えばここではオリゴ糖の4つのガラクトース残基のうち1つが、結合された末端シアル酸残基を有し、または例えばここではオリゴ糖の4つのガラクトース残基のうち2つが、結合された末端シアル酸残基を有し、または例えばここではオリゴ糖の4つのガラクトース残基のうち3つが、結合された末端シアル酸残基を有し、または例えばここではオリゴ糖の4つのガラクトース残基のうち4つが、結合された末端シアル酸残基を有し、または例えばここではオリゴ糖の5つのガラクトース残基のうち1つが、結合された末端シアル酸残基を有し、または例えばここではオリゴ糖の5つのガラクトース残基のうち2つが、結合された末端シアル酸残基を有し、または例えばここではオリゴ糖の5つのガラクトース残基のうち3つが、結合された末端シアル酸残基を有し、または例えばここではオリゴ糖の5つのガラクトース残基のうち4つが、結合された末端シアル酸残基を有し、または例えばここではオリゴ糖の5つのガラクトース残基のうち5つが、結合された末端シアル酸残基を有し、または例えばここではオリゴ糖の6つのガラクトース残基のうち1つが、結合された末端シアル酸残基を有し、または例えばここではオリゴ糖の6つのガラクトース残基のうち2つが、結合された末端シアル酸残基を有し、または例えばここではオリゴ糖の6つのガラクトース残基のうち3つが、結合された末端シアル酸残基を有し、または例えばここではオリゴ糖の6つのガラクトース残基のうち4つが、結合された末端シアル酸残基を有し、または例えばここではオリゴ糖の6つのガラクトース残基のうち5つが、結合された末端シアル酸残基を有し、または例えばここではオリゴ糖の6つのガラクトース残基のうち6つが、結合された末端シアル酸残基を有する。] [0037] 一実施形態では、本発明は、非トランスジェニックトリに対してシアル酸で終結する分岐の百分率が増大した外因性タンパク質をマグナム組織などのその卵管組織内(例えば管状腺細胞内)に生成する、GalT1、GalT2、GalT3、GalT4、GalT5、GalT6、GalT7、SialT1、SialT2、SialT3、SialT4、SialT5およびSialT6をコードするトランス遺伝子のうちの2つ以上、例えばGalT1およびSialT3をコードするトランス遺伝子をゲノム内に有するトランスジェニックニワトリを提供する。例えば外因性タンパク質は、末端位置で20%がシアル酸によって占有されるN−グリカン構造を有しうるか、または例えば外因性タンパク質は、末端位置で30%がシアル酸によって占有されるN−グリカン構造を有しうるか、または例えば外因性タンパク質は、末端位置で40%がシアル酸によって占有されるN−グリカン構造を有しうるか、または例えば外因性タンパク質は、末端位置で50%がシアル酸によって占有されるN−グリカン構造を有しうるか、または例えば外因性タンパク質は、末端位置で60%がシアル酸によって占有されるN−グリカン構造を有しうるか、または例えば外因性タンパク質は、末端位置で70%がシアル酸によって占有されるN−グリカン構造を有しうるか、または例えば外因性タンパク質は、末端位置で80%がシアル酸によって占有されるN−グリカン構造を有しうるか、または例えば外因性タンパク質は、末端位置で90%がシアル酸によって占有されるN−グリカン構造を有しうるか、または例えば外因性タンパク質は、末端位置で95%がシアル酸によって占有されるN−グリカン構造を有しうるか、または例えば外因性タンパク質は、末端位置で100%がシアル酸によって占有されるN−グリカン構造を有しうる。] [0038] 一実施形態では、本発明のタンパク質は、1〜5個のシアル酸(例えば1〜4個のシアル酸)を有するオリゴ糖を有する。] [0039] 一実施形態では、本発明のタンパク質は、1〜5個のガラクトース(例えば1〜4個のガラクトース)を有するオリゴ糖を有する。] [0040] 外因性タンパク質を生成するトランス遺伝子が増強されたグリコシル化トリを生成するため、トランス遺伝子が増強されたグリコシル化トリは卵管内での治療タンパク質の生成を目的としてトランスジェニックである既存のトリと交配可能であり、ここで治療タンパク質の有効性は、治療タンパク質に付加されるオリゴ糖でガラクトースおよび/またはシアル酸を有することによって高まりうる。また、トランス遺伝子が増強されたグリコシル化トリを使用し、卵または胚ドナーが生成されうる。治療タンパク質などのタンパク質をコードするトランス遺伝子を、例えば当該技術分野で既知の方法によって胚に導入することで、卵管内においてトランス遺伝子でコードされるタンパク質を生成することになるトリの系列が生成可能であり、ここで、グリコシル化トランス遺伝子でコードされるタンパク質はオリゴ糖構造に対してガラクトースおよびシアル酸などの追加的な糖を有しうる。別の実施形態では、治療タンパク質の生成を目的としてトランスジェニックである既存のトリを使用することで卵または胚ドナーが生成され、グリコシルトランスフェラーゼ(例えばGalT、SialT)トランス遺伝子をコードするベクターが卵または胚ドナーに導入される。] [0041] 一実施形態では、本発明は、哺乳類タンパク質、特にヒトタンパク質上に天然に存在するオリゴ糖構造により酷似する、卵白由来の治療タンパク質内でのオリゴ糖構造の生成を目的としたチキンなどのニワトリの生成に関する。] [0042] 本発明に従って生成される第一世代のトランスジェニックトリは、典型的にはG0世代と称され、通常は各挿入トランス遺伝子に対して半接合である。G0世代を非トランスジェニックトリと交配させ、完全トランスジェニックG1子孫(これもトランス遺伝子に対して半接合である)が生成されうる。G1半接合子孫を非トランスジェニックトリと交配させ、G2半接合子孫が生成されうるか、または互いに交配させ、トランス遺伝子に対してホモ接合であるG2子孫が生成されうる。トランス遺伝子に対して半接合またはホモ接合であるG0トリの子孫を別のトランス遺伝子に対して半接合またはホモ接合であるG0トリの子孫と交配させ、両トランス遺伝子に対して半接合である子孫が生成されうる。二重の半接合トリを異種交配させ、一方または両方のトランス遺伝子に対してホモ接合であるトリが生成されうる。これらは単に特定の有用な交配スキームの例である。本発明では、例えば当業者に既知の任意の有用な交配スキームの使用が考えられる。] [0043] 本明細書中に記載の特徴の任意の組み合わせが本発明の範囲内に含まれる。ただし、任意のかかる組み合わせに含まれる特徴は互いに矛盾しない。かかる組み合わせは、本明細書および当業者の知見に基づくことで明白であろう。] 図面の簡単な説明 [0044] 天然の卵白タンパク質に結合されるN−グリカンの典型的な構造を示す。図1Aに示されるように、Galは場合により末端GlcNac残基を占有することが見出され、またβ1,4−結合であるように見られる。天然卵白タンパク質については、Galは分岐GlcNac上に存在することが検出されていない。さらに、GalがN−結合オリゴ糖上に存在する場合、場合により、まれではあるがシアル酸化されるように見られる。本発明に記載の末端GlcNac残基へのGalの付加とともに、他にトランス遺伝子が増強されたグリコシル化の不在下でシアル酸化される場合より多数の末端GlcNac残基がシアル酸化される。 本発明による卵白タンパク質に結合されるN−グリカンの典型的な構造を示す。本発明によるトリ卵管内に生成されるタンパク質上に存在する典型的なN−結合オリゴ糖構造を示す。この典型的な図の非限定的な構造においては、末端GlcNac残基のすべて(分岐GlcNac以外)がシアル酸化された結合Galを有する。 ニワトリガラクトシルトランスフェラーゼの発現解析を示す。mRNAが産卵鶏の培養された線維芽細胞(F)、マグナム(M)、肝(L)および腎(K)組織から単離され、ノーザンブロット法によって分析された。ブロットがニワトリβ1,4ガラクトシルトランスフェラーゼタイプ1、2および3に相補的な配列でプローブされた。RNA分子量マーカーの大体の位置が左側に示される。タイプ1 mRNAにおける想定されるサイズは2.2kbである。タイプ1のブロットにおける約4.3kbのバンド、は部分的にプロセシングされたRNAを示しうる。データは、マグナム内でタイプ1の生成がないことを示す。 ニワトリシアリルトランスフェラーゼ1、3、4および6の発現解析を示す。mRNAが産卵鶏の培養された線維芽細胞(F)、マグナム(M)、肝(L)および腎(K)組織から単離され、ノーザンブロット法によって分析された。ブロットがニワトリ1、3、4および6シアリルトランスフェラーゼに相補的な配列でプローブされた。RNA分子量マーカーの大体の位置が左側に示される。データは、マグナム内でタイプ3の発現が低く、場合によりタイプ4の発現が低いことを示す。 典型的な2つのベクターによる方法の流れ図を示す。GalT1群(GalT1 flock)は、図6Aに示されるpALV−SIN−1.8−OM−GalT1トランス遺伝子で生成されうる。SialT3群は、図6Bに示されるpALV−SIN−1.8−OM−SialT3トランス遺伝子で生成されうる。EWは卵白を意味する。Sialはシアル酸を意味する。Galはガラクトースを意味する。GSトリは、GalT1およびSialT3の双方におけるトランス遺伝子を有するトリである。Gal/SialはGalおよびシアル酸を意味する。GGSSトリは、GalT1およびSialT3トランス遺伝子の双方に対してホモ接合であるトリである。「タンパク質生成群」は、治療タンパク質などのオリゴ糖構造が結合されたタンパク質を生成する群であり、その有効性はGalおよび/またはシアル酸のオリゴ糖構造への付加によって高められうる。 典型的な1つのベクターによる方法の流れ図を示す。群は、図6Cに示されるpALV−SIN−1.8−OM−GalT1−IRES−SialT3ベクターで生成される。EWは卵白を意味する。 図6Aは、pALV−SIN−1.8−OM−GalT1ベクターのマップを示す。ベクターのレトロウイルストランス遺伝子部分が示される。簡略化のため、ベクター骨格は示されていない。ニワトリ胚細胞内へのベクターの組込み時、3’SINLTRは、トランス遺伝子が不活性化LTRによって隣接されるように5’LTR全体に複製される。図6Aは、ニワトリβ−1,4−ガラクトシルトランスフェラーゼタイプ1コード配列に作動可能に結合された1.8kbのオボムコイドプロモーターを示す。図6Bは、pALV−SIN−1.8−OM−SialT3ベクターのマップを示す。ベクターのレトロウイルストランス遺伝子部分が示される。簡略化のため、ベクター骨格は示されていない。ニワトリ胚細胞内へのベクターの組込み時、3’SIN LTRは、トランス遺伝子が不活性化LTRによって隣接されるように5’LTR全体に複製される。図6Bは、ニワトリα−2,3−シアリルトランスフェラーゼタイプ3に作動可能に結合された1.8kbのオボムコイドプロモーターを示す。図Cは、pALV−SIN−1.8−OM−GalT1−IRES−SialT3ベクターのマップを示す。ベクターのレトロウイルストランス遺伝子部分が示される。簡略化のため、ベクター骨格は示されていない。ニワトリ胚細胞内へのベクターの組込み時、3’SIN LTRは、トランス遺伝子が不活性化LTRによって隣接されるように5’LTR全体に複製される。図6Cは、1990年6月26日に交付されたUS patent No. 4,937,190に開示された(その開示はその全体が参照により本明細書中に援用される)、翻訳エンハンサーなどの2つのコード配列間のIRESで、ニワトリβ−1,4−ガラクトシルトランスフェラーゼタイプ1コード配列およびニワトリα−2,3−シアリルトランスフェラーゼ3コード配列に作動可能に結合された1.8kbのオボムコイドプロモーターを示す。 トランス遺伝子が増強されたグリコシル化トリを生成するための一般的方法および時系列を示す。 図6A(図9)に示されるベクターを使用してゲノム内に組み込まれたGalT1トランス遺伝子を有するトランス遺伝子が増強されたグリコシル化ニワトリにおいて生成される卵白タンパク質のオリゴ糖構造のMALDI−MS分析を示す。13の別々の分析を行い、図は実行の1つの典型的な結果を示す。データは、Galおよび一部のシアル酸がトランス遺伝子が増強されたグリコシル化の結果として卵白タンパク質上に存在するオリゴ糖構造に付加されたことを示す。記号:●=マンノース;▲=フコース;○=ガラクトース;■=N−アセチルグルコサミン;◆=シアル酸。 他の12の分析(質量/mzはそれぞれに対して特有である)の1つ以上においても同定された、Galおよび/またはシアル酸が付加されたさらなるオリゴ糖構造を示す。データは、Galおよび一部のシアル酸がトランス遺伝子が増強されたグリコシル化の結果として卵白タンパク質上に存在するオリゴ糖構造に付加されたことを示す。記号:●=マンノース;▲=フコース;○=ガラクトース;■=N−アセチルグルコサミン;◆=シアル酸。 他の12の分析(質量/mzはそれぞれに対して特有である)の1つ以上においても同定された、Galおよび/またはシアル酸が付加されたさらなるオリゴ糖構造を示す。データは、Galおよび一部のシアル酸がトランス遺伝子が増強されたグリコシル化の結果として卵白タンパク質上に存在するオリゴ糖構造に付加されたことを示す。記号:●=マンノース;▲=フコース;○=ガラクトース;■=N−アセチルグルコサミン;◆=シアル酸。 対照試料である。データは、Galおよび一部のシアル酸が、トランス遺伝子が増強されたグリコシル化の結果として卵白タンパク質上に存在するオリゴ糖構造に付加されたことを示す。記号:●=マンノース;▲=フコース;○=ガラクトース;■=N−アセチルグルコサミン;◆=シアル酸。 本発明は、新規オリゴ糖構造を有する、トランス遺伝子が増強されたグリコシル化トリの卵管内で発現されうるN−結合オリゴ糖を有するタンパク質、例えば本願中に開示される場合を含むヒトタンパク質(例えばヒトタンパク質)を含む。 (配列番号1)は7434bp長のpSIN−OM−1.8−GalT1を示す。配列の一部の特徴は次のとおりである。LTR−ヌクレオチド370..542;LTR−3645..3990;CDS−268..7356;プロモーター4441..6214。 (配列番号1)は7434bp長のpSIN−OM−1.8−GalT1を示す。配列の一部の特徴は次のとおりである。LTR−ヌクレオチド370..542;LTR−3645..3990;CDS−268..7356;プロモーター4441..6214。 (配列番号1)は7434bp長のpSIN−OM−1.8−GalT1を示す。配列の一部の特徴は次のとおりである。LTR−ヌクレオチド370..542;LTR−3645..3990;CDS−268..7356;プロモーター4441..6214。 (配列番号2)は7545bp長のpSIN−OM−1.8−SialT3を示す。配列の一部の特徴は次のとおりである。LTR−ヌクレオチド370..542;LTR−3645..3990;CDS−6362..7540;プロモーター4431..6309。 (配列番号2)は7545bp長のpSIN−OM−1.8−SialT3を示す。配列の一部の特徴は次のとおりである。LTR−ヌクレオチド370..542;LTR−3645..3990;CDS−6362..7540;プロモーター4431..6309。 (配列番号2)は7545bp長のpSIN−OM−1.8−SialT3を示す。配列の一部の特徴は次のとおりである。LTR−ヌクレオチド370..542;LTR−3645..3990;CDS−6362..7540;プロモーター4431..6309。 (配列番号3)は9119bp長のpSIN−OM−1.8−GalT1−IRES−SialT3を示す。配列の一部の特徴は次のとおりである。LTR−ヌクレオチド3653..3998;LTR−ヌクレオチド378..550;CDS−ヌクレオチド7930..9108;CDS−ヌクレオチド6276..7361;プロモーターヌクレオチド4449..6222;IRES7362...7929。次のヌクレオチド置換、すなわち、nt7920 TからG;nt7918 CからA;nt7917 GからT;nt7836 GからA;nt7366〜7368(CCC)がAATTCCCCCTCTCCCTCCCCCCCCCCTAAC(配列番号39)で置換のうちの1つ以上がIRESによって生成される翻訳産物の量を増加させることになると考えられる。 (配列番号3)は9119bp長のpSIN−OM−1.8−GalT1−IRES−SialT3を示す。配列の一部の特徴は次のとおりである。LTR−ヌクレオチド3653..3998;LTR−ヌクレオチド378..550;CDS−ヌクレオチド7930..9108;CDS−ヌクレオチド6276..7361;プロモーターヌクレオチド4449..6222;IRES7362...7929。次のヌクレオチド置換、すなわち、nt7920 TからG;nt7918 CからA;nt7917 GからT;nt7836 GからA;nt7366〜7368(CCC)がAATTCCCCCTCTCCCTCCCCCCCCCCTAAC(配列番号39)で置換のうちの1つ以上がIRESによって生成される翻訳産物の量を増加させることになると考えられる。 (配列番号3)は9119bp長のpSIN−OM−1.8−GalT1−IRES−SialT3を示す。配列の一部の特徴は次のとおりである。LTR−ヌクレオチド3653..3998;LTR−ヌクレオチド378..550;CDS−ヌクレオチド7930..9108;CDS−ヌクレオチド6276..7361;プロモーターヌクレオチド4449..6222;IRES7362...7929。次のヌクレオチド置換、すなわち、nt7920 TからG;nt7918 CからA;nt7917 GからT;nt7836 GからA;nt7366〜7368(CCC)がAATTCCCCCTCTCCCTCCCCCCCCCCTAAC(配列番号39)で置換のうちの1つ以上がIRESによって生成される翻訳産物の量を増加させることになると考えられる。 (配列番号4)はニワトリβ−1,4−ガラクトシルトランスフェラーゼ(CKI)mRNAタイプ1−登録番号U19890を示す。特徴の一部は、5’UTR−ヌクレオチド1..57;CDS−ヌクレオチド58..1146;3’UTR−ヌクレオチド1147..2279;ポリA_シグナル−ヌクレオチド2260..2265である。 (配列番号5)はニワトリβ−1,4−ガラクトシルトランスフェラーゼにおけるアミノ酸配列を示す。 (配列番号6)はニワトリβ−1,4−ガラクトシルトランスフェラーゼ(CKII)mRNAタイプ2−登録番号U19889を示す。CDSはヌクレオチド202..1323によって示される。 (配列番号7)はニワトリβ−1,4−ガラクトシルトランスフェラーゼにおけるアミノ酸配列を示す。 (配列番号8)はニワトリβ−1,4−ガラクトシルトランスフェラーゼ、タイプ3mRNA−登録番号:XM_416564を示す。CDSはヌクレオチド1..1029によって示される。 (配列番号9)はニワトリβ−1,4−ガラクトシルトランスフェラーゼ、タイプ3におけるアミノ酸配列を示す。 (配列番号10)はニワトリβ−1,4−ガラクトシルトランスフェラーゼ、タイプ4 mRNA−登録番号XM_416563を示す。CDSはヌクレオチド221..1288によって示される。 (配列番号11)はニワトリβ−1,4−ガラクトシルトランスフェラーゼ、タイプ4におけるアミノ酸配列を示す。 (配列番号12)はニワトリβ−1,4−ガラクトシルトランスフェラーゼ、タイプ5 mRNAを示す。CDSはヌクレオチド1..1773によって示される。 (配列番号13)はニワトリβ−1,4−ガラクトシルトランスフェラーゼ、タイプ5におけるアミノ酸配列を示す。 (配列番号14)はニワトリβ−1,4−ガラクトシルトランスフェラーゼ、タイプ6 mRNAを示す。CDSはヌクレオチド294..1400によって示される。 (配列番号14)はニワトリβ−1,4−ガラクトシルトランスフェラーゼ、タイプ6 mRNAを示す。CDSはヌクレオチド294..1400によって示される。 (配列番号15)はニワトリβ−1,4−ガラクトシルトランスフェラーゼ、タイプ6におけるアミノ酸配列を示す。 (配列番号16)はニワトリβ−1,4−ガラクトシルトランスフェラーゼ、タイプ7 mRNAを示す。CDSはヌクレオチド57..1016によって示される。 (配列番号17)はニワトリβ−1,4−ガラクトシルトランスフェラーゼ、タイプ7におけるアミノ酸配列を示す。 (配列番号18)はニワトリα−2,3−シアリルトランスフェラーゼ1 mRNAを示す。CDSはヌクレオチド132..1160によって示される。 (配列番号19)はニワトリα−2,3−シアリルトランスフェラーゼ1におけるアミノ酸配列を示す。 (配列番号20)はニワトリα−2,3−シアリルトランスフェラーゼ2 mRNAを示す。CDSはヌクレオチド290..1339によって示される。 (配列番号21)はニワトリα−2,3−シアリルトランスフェラーゼ2におけるアミノ酸配列を示す。 (配列番号22)はニワトリα−2,3−シアリルトランスフェラーゼ3 mRNAを示す。CDSはヌクレオチド1..1179によって示される。 (配列番号23)はニワトリα−2,3−シアリルトランスフェラーゼ3におけるアミノ酸配列を示す。 (配列番号24)は欠失されたアミノ酸配列セグメント(すなわち対応するヌクレオチド配列セグメントが図21aに示されるヌクレオチド配列内で欠失された)を有する他のアイソフォームを示す。 (配列番号25)はニワトリα−2,3−シアリルトランスフェラーゼ4 mRNAを示す。CDSはヌクレオチド325..1332によって示される。 (配列番号26)はニワトリα−2,3−シアリルトランスフェラーゼ4におけるアミノ酸配列を示す。 (配列番号27)はニワトリα−2,3−シアリルトランスフェラーゼ5 mRNAを示す。CDSはヌクレオチド128..1234によって示される。 (配列番号28)はニワトリα−2,3−シアリルトランスフェラーゼ5におけるアミノ酸配列を示す。 (配列番号29)はニワトリα−2,3−シアリルトランスフェラーゼ6 mRNAを示す。CDSはヌクレオチド740..1798によって示される。 (配列番号30)はニワトリα−2,3−シアリルトランスフェラーゼ6におけるアミノ酸配列を示す。 (配列番号31)はニワトリα−2,6−シアリルトランスフェラーゼ1 mRNAを示す。CDSはヌクレオチド359..1600によって示される。 (配列番号32)はニワトリα−2,6−シアリルトランスフェラーゼ1におけるアミノ酸配列を示す。 (配列番号33)はニワトリα−2,6−シアリルトランスフェラーゼ2 mRNAを示す。CDSはヌクレオチド1..1590によって示される。 (配列番号34)はニワトリα−2,6−シアリルトランスフェラーゼ2におけるアミノ酸配列を示す。 (配列番号35)はニワトリα−2,6−シアリルトランスフェラーゼ4 mRNAを示す。CDSはヌクレオチドによって示される。CDSはヌクレオチド62..931によって示される。 (配列番号36)はニワトリα−2,6−シアリルトランスフェラーゼ4におけるアミノ酸配列を示す。 (配列番号37)はニワトリα−2,6−シアリルトランスフェラーゼ5 mRNAを示す。CDSはヌクレオチド51..1100によって示される。 (配列番号38)はニワトリα−2,6−シアリルトランスフェラーゼ5におけるアミノ酸配列を示す。] 図1A 図6A 図6B 図6C [0045] 本明細書で使用される定義および略語の一部は次のもの、すなわち、aa、アミノ酸;bp、塩基対;CDS、コード配列;cDNA、RNAに相補的なDNA;GalNac、N−アセチルガラクトサミン;Gal、ガラクトース;GlcNac、N−アセチルグルコサミン;IRES、内部リボソーム進入部位;nt、ヌクレオチド;kb、1000塩基対;μg、マイクログラム;ml、ミリリットル;ng、ナノグラム;nt、ヌクレオチドを含む。] [0046] 特定の定義は、本明細書中で本発明を説明するのに使用される様々な用語の意味および範囲を例示し、定義するように本明細書中に示される。] [0047] 本明細書で使用される用語「トリ」は、分類学的クラスavaの生物の任意の種、亜種または株を示し、例として限定はされないが、ニワトリ、シチメンチョウ、アヒル、ガチョウ、ウズラ、キジ、オウム、フィンチ、ワシ、カラス、ならびにダチョウ、エミューおよびヒクイドリを含む走鳥類などの生物が挙げられる。同用語は、ガッルス・ガッルス(Gallus gallus)またはニワトリ(例えば、ホワイトレグホン(White Leghorn)、ブラウンレグホン(Brown Leghorn)、バードロック(Barred−Rock)、サセックス(Sussex)、ニューハンプシャー(New Hampshire)、ロードアイランド(Rhode Island)、オーストラロープ(Ausstralorp)、ミノルカ(Minorca)、アムロックス(Amrox)、カリフォルニアグレイ(California Gray)、イタリアンパートリッジカラード(Italian Partridge−colored))の様々な既知の株、ならびにシチメンチョウ、キジ、ウズラ、アヒル、ダチョウおよび一般に商業的量で飼育される他の家禽の株を含む。] [0048] 語句「に基づく」および「に由来する」は、典型的には全体的または部分的に得られることを意味する。例えば、特定のレトロウイルスに基づくかまたはそれに由来するかあるいは特定のレトロウイルスのヌクレオチド配列に基づくレトロウイルスベクターは、レトロウイルスベクターのゲノムが特定のレトロウイルスのゲノムのヌクレオチド配列の実質的部分を有することを意味する。当業者の知識として本明細書の文脈から明らかなように、実質的部分は、gag、polおよび/またはenvタンパク質をコードするヌクレオチド配列などの特定の遺伝子またはヌクレオチド配列あるいはLTRをコードする配列などのウイルスゲノムの他の構造的または機能的ヌクレオチド配列でありうるか、あるいは実質的に完全なレトロウイルスゲノム、例えば、レトロウイルスゲノムの大部分(例えば、60%超もしくは70%超もしくは80%超もしくは90%超)または全部でありうる。レトロウイルスに基づくかまたはそれに由来するレトロウイルスベクターの例が、Cosset et al, Journal of Virology (1991) vol 65, p 3388-3394に開示される、ALVレトロウイルスに基づくNLレトロウイルスベクター(例えばNLB)である。] [0049] 本明細書で使用される用語「コード配列」および「コード領域」は、RNA、タンパク質、あるいはRNAまたはタンパク質の任意の部分の合成における遺伝的情報をコードする、RNAおよびDNAの双方を含むヌクレオチド配列および核酸配列を示す。] [0050] 本来的に特定の生物のゲノムの一部でないかまたは生物ゲノム内の非天然部位に導入されるヌクレオチド配列は、「外来」ヌクレオチド配列、「異種」ヌクレオチド配列、「組換え」ヌクレオチド配列または「外因性」ヌクレオチド配列と称される。さらに、単離され、次いで生物の同じタイプ(例えば同じ種)に再導入されているヌクレオチド配列は、特定の生物のゲノムの天然部分であるとは考えられず、故に外因性または異種であると考えられる。「異種タンパク質」または「外因性タンパク質」は、外来、異種または外因性ヌクレオチド配列によってコードされるタンパク質でありえ、故に生物の細胞内で天然に発現されない場合が多い。] [0051] 核酸、例えばDNAおよびRNAに関して本明細書で使用される用語「外因性」、「異種」および「外来」は交換可能に使用され、それが存在する染色体、ゲノムまたは細胞の一部として天然に発生しないか、あるいはそれが天然に発生する位置および/または量と異なる位置および/または量で見出される核酸を示す。それは、ゲノム、染色体または細胞に対して内因性でなく、かつ体外からゲノム、染色体または細胞に導入されている核酸でありうる。異種DNAの例として、限定はされないが、例えばコードされたタンパク質の生成を目的とした目的の遺伝子産物をコードするDNAが挙げられる。異種DNAの例として、限定はされないが、追跡可能なマーカータンパク質をコードするDNA、治療タンパク質をコードするDNAが挙げられる。用語「異種」および「外因性」は、通常は特定の細胞、組織または生物によって生成される物質において見出されることはないか、あるいは通常は特定の細胞、組織または生物によって生成される物質において、天然に生じることが見出される場合と同じ量または位置で見出されない核酸またはタンパク質などの生体分子を示しうる。例えば、卵に対して異種または外因性であるタンパク質は、通常は卵内に見出されないタンパク質である。] [0052] 本明細書で使用される用語「コンストラクト」は、天然供給源から単離されているかまたは化学的に合成されているか、あるいはそれらが組み合わされた、ヌクレオチド配列の2つ以上のセグメントから構築されているDNAなどの線状または環状ヌクレオチド配列を示す。] [0053] 本明細書で使用される用語「相補的」は、互いに特異的相互作用を形成しうる2つの核酸分子を示す。特異的相互作用においては、2つの核酸鎖が反対の極性である場合、核酸の一方の鎖内部のアデニン塩基は、第2の核酸鎖内のチミンと2つの水素結合を形成しうる。また特異的相互作用においては、2つの核酸鎖が反対の極性である場合、核酸の一方の鎖内のグアニン塩基は、第2の核酸鎖内のシトシンと3つの水素結合を形成しうる。本明細書中で参照される相補的核酸は修飾塩基をさらに含む可能性があり、修飾アデニンはチミンまたは修飾チミンと水素結合を形成し、かつ修飾シトシンはグアニンまたは修飾グアニンと水素結合を形成しうる。] [0054] 本明細書で使用される用語「サイトカイン」は、細胞の機能に作用し、免疫、炎症または造血応答において細胞間の相互作用を調節する分子である任意の分泌アミノ酸配列を示す。サイトカインは、限定はされないが、モノカインおよびリンホカインを、いずれの細胞がそれらを生成するかに無関係に含む。例えば、モノカインは、一般に、単核球、例えばマクロファージおよび/または単球によって生成され、分泌されるものとして参照される。しかし、多数の他の細胞、例えばナチュラルキラー細胞、線維芽細胞、好塩基球、好中球、内皮細胞、脳星状細胞、骨髄間質細胞、表皮角化細胞およびBリンパ球もまたモノカインを生成する。リンホカインは、一般に、リンパ球細胞によって生成されるものとして参照される。サイトカインの例として、限定はされないが、インターフェロン、エリスロポエチン、G−CSF、インターロイキン−1(IL−1)、インターロイキン−6(IL−6)、インターロイキン−8(IL−8)、腫瘍壊死因子−α(TNF−α)および腫瘍壊死因子β(TNF−β)が挙げられる。] [0055] 本明細書で使用される用語「発現される」または「発現」は、コード配列の2本の核酸鎖の一方の領域に対して少なくとも部分的に相補的なRNA核酸分子を得るためのコード配列の転写を示す。本明細書で使用される用語「発現される」または「発現」はまた、タンパク質またはペプチドを生成するためのRNAの翻訳を示しうる。] [0056] 本明細書で使用される用語「発現ベクター」は、少なくとも1つのポリペプチドをコードするヌクレオチド配列に作動可能に結合される遺伝子発現制御領域、例えばプロモーターまたはプロモーター成分を含む核酸ベクターを示す。] [0057] 本明細書で使用される用語「断片」は、(例えば化学合成により)人工的に、または、制限エンドヌクレアーゼもしくは機械的せん断を使用して天然産物を複数の断片に切断することにより、または酵素的に、例えばPCRまたは当該技術分野で既知の任意の他の重合技術により、作成されているか、あるいは当業者に既知の組換え核酸技術によって宿主細胞内で発現されている核酸の、例えば少なくとも約10、20、50、75、100、150、200、250、300、500、1000、2000、5000、6,000、8,000、10,000、20,000、30,000、40,000、50,000もしくは60,000ヌクレオチド長の部分を示しうる。本明細書で使用される用語「断片」はまた、アミノ酸配列の、例えば少なくとも約5、10、20、30、40、50、75、100、150、200、250、300、400、500、1000、2000、5000、6,000、8,000もしくは10,000個のアミノ酸部分を示す場合があり、ここで同部分は、少なくとも1つのプロテアーゼによるタンパク質分解切断により天然アミノ酸配列から切断されるか、あるいは化学的方法または当業者に既知の組換えDNA技術の使用によって合成される天然アミノ酸配列の一部である(例えば天然アミノ酸配列をコードするヌクレオチド配列の一部から発現される)。「断片」はまた、特定のヌクレオチド配列またはアミノ酸配列の、例えば約5%、約10%、約20%、約30%、約40%、約50%、約60%、約70%、約80%、約90%、約95%もしくは約99%の部分を示しうる。] [0058] 「機能的部分」および「機能的断片」は、交換可能に使用可能であり、本明細書中で使用されると、全体の機能を全体的または部分的に実行可能な全体の一部または断片を意味する。例えば、分子の生物学的に機能的な部分は、全体または無傷分子の生物学的機能を実行する分子の一部を意味する。機能的部分は任意の有用なサイズでありうる。例えば、機能的断片はサイズが約20塩基長〜特定の配列の全長−1ヌクレオチドに等しい長さの範囲でありうる。別の例では、機能的断片はサイズが約50塩基長〜特定の配列の全長−1ヌクレオチドに等しい長さの範囲でありうる。別の例では、機能的断片はサイズが約50塩基長〜約20kb長の範囲でありうる。別の例では、機能的断片はサイズが約500塩基長〜約20kb長の範囲でありうる。別の例では、機能的断片はサイズが約1kb長〜約20kb長の範囲でありうる。別の例では、機能的断片はサイズが約0.1kb長〜約10kb長の範囲でありうる。別の例では、機能的断片はサイズが約20kb塩基長〜約10kb長の範囲でありうる。] [0059] 用語「完全トランスジェニック」は、本質的にすべてのその体細胞内にトランス遺伝子の少なくとも1つのコピーを有するトリなどの動物を示す。] [0060] 本明細書で使用される用語「遺伝子発現制御領域」は、コード配列に関連し、かつコード配列の発現を全体的または部分的に調節する、例えばコード配列の転写を全体的または部分的に調節するヌクレオチド配列を示す。遺伝子発現制御領域は、天然供給源から単離されうるかまたは化学的に合成可能であり、かつ核酸ベクターに組み込み可能であり、それにより適切な細胞内での転写の調節が可能になる。「遺伝子発現制御領域」は、限定はされないが、mRNAに転写されうるコード配列の末端の5’領域内に存在する核酸配列の領域に先行しうる。] [0061] 本明細書で使用される用語「単離核酸」は、例えば、(a)天然ゲノム分子の一部の配列を有するが、それが天然に生じる種のゲノム内の分子のその部分に隣接する配列の少なくとも1つによって隣接されないDNA;(b)得られるベクターまたはゲノムDNAが、核酸が得られる元となる天然DNAと同一とはならないような様式で、ベクター、または原核生物もしくは真核生物のゲノムDNAに組み込まれている核酸;(c)cDNA、ゲノム断片、ポリメラーゼ連鎖反応(PCR)、リガーゼ連鎖反応(LCR)もしくは化学合成によって生成される断片、または制限断片などの別々の分子;(d)ハイブリッド遺伝子、すなわち融合タンパク質をコードする遺伝子の一部である組換えヌクレオチド配列、および(e)天然でないハイブリッド配列の一部である組換えヌクレオチド配列を網羅する。本発明の単離核酸分子は、例えば、天然対立遺伝子変異体、ならびにヌクレオチドの欠失、挿入、逆位、または置換によって修飾される核酸分子を含みうる。] [0062] 本明細書で使用される用語「核酸」は、ヌクレオチドおよびヌクレオシドの任意の線状または連続アレイ、例えばcDNA、ゲノムDNA、mRNA、tRNA、オリゴヌクレオチド、オリゴヌクレオシドおよびそれらの誘導体を示す。考察を容易にするため、非天然核酸は本明細書中でコンストラクトと称されうる。核酸は、発現、クローニング、コスミドおよび形質転換ベクターを含む細菌プラスミドベクター、例えば動物ウイルスベクター、例えば限定はされないが、修飾アデノウイルス、インフルエンザウイルス、ポリオウイルス、ポックスウイルス、レトロウイルス、例えばトリ白血症ウイルス(ALV)レトロウイルスベクター、ネズミ白血病ウイルス(MLV)レトロウイルスベクター、およびレンチウイルスベクターなどとそれらの断片を含みうる。さらに、核酸は、トリ白血症ウイルス(ALV)レトロウイルスベクター、ネズミ白血病ウイルス(MLV)レトロウイルスベクター、またはレンチウイルスベクターとそれらの断片のLTRでありうる。核酸はまた、NLB、NLDおよびNLAなどのNLベクターとそれらの断片、および化学合成されたDNAまたはRNAなどの合成オリゴヌクレオチドを含みうる。核酸は、修飾または誘導体化ヌクレオチドおよびヌクレオシド、例えば限定はされないがハロゲン化ヌクレオチド、例えば限定はされないが5−ブロモウラシル、ならびにビオチン標識ヌクレオチドなどの誘導体化ヌクレオチドを含みうる。] [0063] 本明細書で使用される用語「ベクター」および「核酸ベクター」は、細胞に形質移入または形質転換され、宿主細胞ゲノムとは無関係にまたはその内部で複製しうる天然または合成の一本鎖または二本鎖のプラスミドまたはウイルス核酸分子を示す。環状二本鎖ベクターは、ベクターのヌクレオチド配列に基づく適切な制限酵素による処理によって線形化されうる。核酸は、当該技術分野で理解されるように、ベクターを制限酵素で切断し、所望される断片を互いにライゲートすることによってベクターに挿入されうる。] [0064] 用語「作動可能に結合される」は、そのように記載される成分が、その通常の機能を発揮するように構成される要素の配列を示す。コード配列に作動可能に結合される遺伝子発現制御領域またはプロモーター(例えばプロモーター成分)は、コード配列の発現を達成しうる。制御配列は、コード配列の発現を誘導するように機能する限り、それと隣接する必要はない。したがって、例えば、未翻訳であるが転写された配列への介在がプロモーター配列とコード配列の間に存在し、かつプロモーター配列はやはりコード配列に「作動可能に結合される」と考えられうる。] [0065] 用語「卵管」または「卵管組織」は、トリ卵管の組織、例えばマグナム、例えば管状腺細胞を示し、ここでは、肝組織または腎組織などのトリの他の組織内で生成されるタンパク質の量に対して実質的に量が減少したGalおよび/またはシアル酸を有するN−結合オリゴ糖を有するタンパク質が生成される。] [0066] 本明細書で使用される用語「卵管に特異的なプロモーター」は、機能的である、すなわちトリの卵管細胞内で大幅に、例えば第一に(すなわち動物において特定のプロモータータイプによって生成される転写産物の50%超が卵管細胞内で生成されている)または排他的にコード配列の転写をもたらすプロモーターおよびプロモーター成分を示す。卵管に特異的なプロモーターの例として、オバルブミンプロモーター、オボムコイドプロモーター、オボインヒビタープロモーター、リゾチームプロモーターおよびオボトランスフェリンプロモーターおよびこれらのプロモーターの機能的部分、例えばプロモーター成分が挙げられる。GalT(例えばGalT1)およびSialT(例えばSialT3)などのグリコシル化酵素は、通常はER/ゴルジオルガネラに特異的であり、N−グリカン合成経路に関与する。卵管に特異的なプロモーターを使用したマグナムに対するこれらの酵素の発現の制限により、トリの他の組織内でのこれらの酵素の発現の結果としてのトリに対する有害な生理的効果は最小化される。] [0067] 用語「パーセント配列同一性」、「パーセント同一性」、「%同一性」、「パーセント配列相同性」、「パーセント相同性」、「%相同性」および「パーセント配列類似性」はそれぞれ、2つの核酸配列の間または2つのアミノ酸配列の間での配列マッチングの程度を示しうる。かかる配列マッチングは、Karlin & Altschul (1990) Proc. Natl. Acad. Sci. 87: 2264-2268のアルゴリズム(Karlin & Altschul (1993) Proc. Natl. Acad. Sci. 90: 5873-5877などで改良)を使用して判定されうる。かかるアルゴリズムは、Altschul et al. (1990) T. Mol. Biol. Q15: 403-410のNBLASTおよびXBLASTプログラムに取り込まれる。BLASTヌクレオチド探索をNBLASTプログラム、スコア=100、ワード長=12を用いて実行することで、本発明の核酸分子に相同なヌクレオチド配列が得られる。BLASTタンパク質探索をXBLASTプログラム、スコア=50、ワード長=3を用いて実行することで、参照アミノ酸配列に相同なアミノ酸配列が得られる。比較目的でギャップドアラインメント(gapped alignments)を得るため、Altschul et al. (1997) Nucl. AcidsRes. 25: 3389-3402に記載のようにギャップドBLAST(Gapped BLAST)が使用される。BLASTおよびギャップドBLASTプログラムを使用する場合、各プログラムのデフォルトパラメータ(例えばXBLASTおよびNBLAST)が使用される。限定はされないが、ヌクレオチドまたはアミノ酸配列比較のためのプログラムを含むU.K.Human Genome MappingProject Resource CentreのGCG−Sequence Analysis Packageなどの他のアルゴリズム、プログラムおよびデフォルト設定もまた適切でありうる。] [0068] 用語「家禽に由来する」は、家禽によって生成されるかまたはそれから得られる組成物または物質を示す。「家禽」は、限定はされないが、ニワトリ、アヒル、シチメンチョウ、ウズラおよび走鳥類を含む、家畜として飼われうるトリを示す。例えば、「家禽に由来する」は、ニワトリに由来する、シチメンチョウに由来するおよび/またはウズラに由来することを示しうる。用語「トリに由来する」は、トリによって生成されるかまたはそれから得られる組成物または物質を示す。] [0069] 用語「ポリヌクレオチド」、「オリゴヌクレオチド」、「ヌクレオチド配列」および「核酸配列」は本明細書中で交換可能に使用可能であり、限定はされないがコード配列、すなわちポリヌクレオチドまたは核酸配列を含み、それらは、適切な調節または制御配列;制御配列、例えば翻訳開始および停止コドン、プロモーター配列、リボソーム結合部位、ポリアデニル化シグナル、転写因子結合部位、転写終結配列、上流および下流調節ドメイン、エンハンサー、サイレンサー、転写因子が結合し、遺伝子のプロモーターの活性を正に(誘発)または負に(抑制)改変するDNA配列などの制御下に置かれる場合、インビトロまたはインビボで転写され、ポリペプチドに翻訳される。本明細書中に記載の用語から、長さまたは合成起点に関して全く制限がないことが示唆される。] [0070] 本明細書で使用される用語「ポリペプチド」および「タンパク質」は、ペプチド結合を介して連続アレイで結合されるアミノ酸のポリマー、例えば3個以上のアミノ酸を示す。用語「ポリペプチド」は、タンパク質、タンパク質断片、タンパク質類似体、オリゴペプチドなどを含む。用語「ポリペプチド」は、核酸によってコードされるか、組換え技術によって生成される(例えばトランスジェニックトリから単離される)か、または合成される、上で定義されたポリペプチドを含む。用語「ポリペプチド」では、化学修飾アミノ酸または標識リガンドに共有結合または非共有結合されたアミノ酸を含む、上で定義されたポリペプチドがさらに考えられる。] [0071] 本明細書で使用される用語「プロモーター」は、トリ細胞内でRNAポリメラーゼによって転写を開始するのに有用なDNA配列を示す。「プロモーター成分」は、単独でかまたは他のDNA配列と相まって転写を有効にするかまたは促進しうるDNA配列である。プロモーター成分はプロモーターの機能的断片でありうる。例えば、オボムコイドプロモーター成分は、限定はされないが、2007年5月17日に公開されたUS application No. 11/649,543(その全体が参照により本明細書中に援用される)中に開示される、約1.8kb、約3.9kbおよび約10kbのオボムコイドプロモーターを含む。「プロモーター成分」はまた、RNA転写を開始するように機能する再配列された遺伝子発現制御領域、ならびにRNA転写を開始するように機能する天然DNA配列および/または合成DNA配列からなるハイブリッドDNA分子を包含しうる。] [0072] 本明細書で使用される用語「組換え核酸」および「組換えDNA」は、真核または原核細胞内に天然に見出されない少なくとも2つの核酸配列の組み合わせを示す。核酸配列は、限定はされないが、核酸ベクター、遺伝子発現調節因子、複製の起点、発現される場合に抗生物質耐性を付与する適切な遺伝子配列、タンパク質コード配列などを含みうる。用語「組換えポリペプチド」は、その位置、純度または構造のいずれかにおいて天然ポリペプチドと異なるように組換えDNA技術によって生成されるポリペプチドを含むように意味する。一般に、かかる組換えポリペプチドは、天然に通常観察される量とは異なる量で細胞内に存在することになる。] [0073] 本明細書で使用される用語「調節」配列または因子は、プロモーター、エンハンサー、ターミネーター、停止コドン、および遺伝子発現を制御可能な他の因子を含む。] [0074] 「レトロウイルス」、「レトロウイルス粒子」、「形質導入(transducing)粒子」、または「形質導入(transduction)粒子」は、非ウイルスDNAまたはRNAを細胞に形質導入可能な複製欠損または複製コンピテント(replication−competent)ウイルスを示す。] [0075] 「SINベクター」は自己不活性化ベクターである。特に、SINベクターは、標的細胞(例えばトリ胚細胞)のゲノムDNAへの組込み時、組込みレトロウイルスベクターの5’LTRがプロモーターとして機能しないように改変されたゲノムを有するレトロウイルスベクターである。例えば、レトロウイルスベクターの5’LTRのU3領域をもたらすレトロウイルスベクターのヌクレオチド配列の一部または全部は、一旦組み込まれると、5’LTRのプロモーター活性を低減または除去するように欠失または改変されうる。特定の例では、当該技術分野で理解されているように、5’LTRのU3からのCAATボックスおよび/またはTAATAボックスの欠失はSINベクターをもたらしうる。] [0076] 本明細書で使用される用語「センス鎖」は、RNAに転写されかつ遺伝子の天然ポリペプチド産物に翻訳されうるゲノムDNA由来の一本鎖DNA分子を示す。本明細書で使用される用語「アンチセンス鎖」は、遺伝子のセンス鎖に相補的なゲノムDNAの一本鎖DNA分子を示す。] [0077] 「治療タンパク質」または「医薬タンパク質」は全体的または部分的に薬剤を構成する物質である。特に、「治療タンパク質」および「医薬タンパク質」は、全体的または部分的に薬剤を構成するアミノ酸配列を含む。] [0078] 本明細書で使用される用語「転写調節配列」および「プロモーター成分」は、コード配列の転写発現を調節するヌクレオチドを示す。典型的な転写調節配列は、エンハンサー因子、ホルモン応答因子、ステロイド応答因子、負の調節因子などを含む。「転写調節配列」を単離し、ベクターに組み込むことで、ベクターDNAの一部の適切な細胞内での転写の調節が可能になりうる。「転写調節配列」は、限定はされないが、mRNAに転写されるタンパク質コード配列の末端の5’領域内にある核酸配列の領域に先行しうる。転写調節配列はまた、タンパク質コード領域内部、例えば「イントロン」領域として同定される遺伝子の領域内に位置しうる。] [0079] 本明細書で使用される用語「形質転換」および「形質移入」は、核酸を宿主に挿入するプロセスを示す。核酸の原核生物または真核生物への形質転換または形質移入を促進するための多数の技術が当業者に周知である。これらの方法は、例えば、細胞を特定の濃度の塩、例えば限定はされないがカルシウム塩またはマグネシウム塩で処理するか、または細胞を電場、デタージェント、またはリポソーム材料に暴露し、宿主細胞に核酸分子の取込み能を付与するといった種々の技術を含む。] [0080] 本明細書で使用される「トランスジェニック動物」は任意の非ヒト動物、例えばニワトリを含むトリ種であり、そこでは動物の1つ以上の細胞が、ヒトの介入により、例えば、本明細書で開示される場合を含む当該技術分野で既知のトランスジェニック技術(例えば2007年10月18日に公開されたUS patent publication No. 2007/0243165(その開示はその全体が参照により本明細書中に援用される)を参照)により導入される異種核酸を有する。核酸は、意図的な遺伝子操作による、例えばマイクロインジェクションまたは組換えウイルスでの感染による細胞(例えば卵または胚細胞)への導入により、直接的または間接的に動物に導入される。遺伝子操作という用語は、古典的な交配、または体外受精を含まず、むしろ組換えDNA分子の導入を対象とする。この分子は染色体内部に組み込まれうるか、またはそれは染色体外複製DNAでありうる。典型的なトランスジェニック動物では、トランス遺伝子は、細胞における組換え形態の標的タンパク質またはポリペプチドの発現を引き起こしうる。用語「キメラ動物」または「モザイク動物」は、本明細書中で、動物の一部であって全部でない細胞内で、トランス遺伝子が見出されるかまたは組換えヌクレオチド配列が発現される動物を示すように使用される。生殖系列キメラ動物は、その胚細胞内にトランス遺伝子を有し、子孫の大部分またはすべての細胞がトランス遺伝子を有する子孫トランスジェニック動物を発生させうる。] [0081] 本明細書で使用される用語「トランス遺伝子」は、それが導入される動物または細胞に対し、部分的または全体的に異種すなわち外来であるか、あるいは、それが導入されるトランスジェニック動物または細胞の内因性遺伝子に対し、部分的または全体的に相同である(例えばヒトタンパク質をコードする)核酸配列を示すが、動物または細胞ゲノムに、それが導入される生物のゲノムを改変するような方法で挿入されるように設計されるかまたは挿入される(例えば、それは天然遺伝子の位置と異なる位置に挿入されるかまたはその挿入はノックアウトをもたらす)。] [0082] 本発明の核酸およびタンパク質を単離し、特徴づけるのに有用な技術は当業者に周知であり、標準の分子生物学および生化学マニュアルで調べることで必要以上の実験と伴わない使用のための適切なプロトコルを選択できる。例えば、 Sambrook et al, 1989, "Molecular Cloning: A Laboratory Manual", 2nd ed., Cold Spring Harborを参照のこと(その内容はその全体が参照により本明細書中に援用される)。] [0083] 卵管内で発現され、分泌される外因性治療タンパク質および内因性卵白タンパク質の双方は、Galおよびシアル酸が欠落したN−グリカン構造を有する。これが卵白タンパク質の糖修飾に関与するグリコシル化酵素経路の結果であることが発見されている。] [0084] 今日まで、エリスロポエチン、インターフェロンαおよびG−CSFを含む、トランスジェニックニワトリの卵白内に貯蔵される複数のタンパク質が生成されている。トリに由来するG−CSFおよびトリに由来するインターフェロンαはいずれも、O−グリカンのみを有し、N−グリカンを有しないタンパク質である。これら2つのタンパク質のO−グリカン構造の一部は、高い割合で完全に合成された同構造を有するヒトO−グリカンに類似する(Rapp, et al. Transgenic Res 12: 569-75., 2003)。さらに、これらのタンパク質は、患者において高い安定性とともに高い有効性および低い免疫応答を有することが示されており、それらのすべては適切なO−結合グリコシル化を有するタンパク質であることが想定される(Patel, et al. Int J Clin Pharmacol Ther 45: 161-8, 2007)。] [0085] ヒトエリスロポエチンなどのN−グリカンで修飾される、ニワトリ卵管内で発現されるタンパク質のグリコシル化は分析されている。例えば、2007年10月10日に出願されたUS patent application No. 11/973,853を参照のこと(その開示はその全体が参照により本明細書中に援用される)。基本的N−結合構造は、ヒトの構造に対してある程度の類似性を有するが、いくつかの相違点も存在する。例えば、ヒトN−グリカンのほとんどの場合、フコースがアスパラギンに結合されたN−アセチルグルコサミン(GlcNac)残基に結合される。卵管内で生成される卵白タンパク質および組換えタンパク質においては、このフコースは典型的には大量に存在しない。ヒトN−グリカンは、典型的には、全部もしくは大部分の末端位置でシアル酸において終結し、それはGlcNacに結合されたガラクトース(Gal)に結合されている。卵管、すなわちマグナム(例えば管状腺細胞)内で生成されるニワトリ卵白タンパク質および外因性タンパク質の場合、N−グリカンにおいてシアル酸はほとんど存在しないかまたは全く存在しない。さらに、典型的には、トランスジェニックトリに由来する外因性タンパク質において特徴づけられているN−グリカン構造内の末端糖にはGal残基がほとんど存在しない(図8A)。したがって、ニワトリ卵管によって生成され、分泌される卵白タンパク質および外因性タンパク質のN−グリカンにおける末端位置の大部分はGlcNacによって占有される。] 図8A [0086] 本発明者はまた、ヒトにおける特定の組織または細胞種内で見出される構造であるβ1,4−結合マンノースに分岐GlcNacを認めている。分岐GlcNacは抗体のADCC活性を高めると考えられる。一実施形態では、本発明のトランスジェニックトリは、卵管に特異的なプロモーターに結合され、アセチルグルコサミニルトランスフェラーゼ、例えばN−アセチルグルコサミニルトランスフェラーゼ3におけるコード配列を有するトランス遺伝子を有することで、卵管内で生成されるタンパク質(例えば抗体などの外因性タンパク質)のN−結合オリゴ糖構造に追加的な分岐GlcNacがもたらされる。] [0087] 卵管内で生成され、分泌される外因性および内因性(例えば、オバルブミン、オボムコイド)タンパク質上に存在するN−グリカンは、本質的に図1Aに示される基本的構造を有し、(Yamashita, et al. J Biol Chem 257: 12809-14, 1982; Harvey, et al. J Am Soc Mass Spectrom 11: 564-71, 2000; Lattova, et al. J Am Soc Mass Spectrom 15: 725-35, 2004)および2007年10月10日に出願されたUS patent application No. 11/973,853を参照のこと。] 図1A [0088] 一実施形態では、本発明は、グリコシル化の欠如を、グリコシルトランスフェラーゼ(その発現はマグナム、例えばTGC(管状腺細胞)内で欠如している)を発現することになるトリゲノムトランス遺伝子への導入によって訂正することに関する。N−グリカンを有する内因性卵白タンパク質、例えばオバルブミンおよびオボムコイドは、トランスジェニックニワトリの卵から収穫され、トランス遺伝子が増強されたグリコシル化群をもたらす末端シアル酸および/または末端Galおよび/または末端から2番目のGalの存在について評価されうる。] [0089] トランス遺伝子が増強されたグリコシル化群は、複数の用途を有することになる。例えば、ある群を、治療タンパク質を生成する既存の群に交配可能であり、その有効性は、シアリル化N−グリカン構造の数の増加によって高められうる。別の用途では、トランスジェニック群を使用し、卵管内、例えば、マグナム組織内で発現される外因性タンパク質におけるコード配列を有するトランス遺伝子を有する全体的に新しい生成群が生成されうる。すなわち、外因性(例えば治療)タンパク質のトランス遺伝子は、トランス遺伝子が増強されたグリコシル化群に導入される。] [0090] ニワトリβ1,4 GalTタイプ1および2は、過去にニワトリ肝腫瘍cDNAライブラリーのスクリーニングによって同定された(Shaper, N. L., J. A. Meurer, et al. (1997) J Biol Chem 272(50): 31389-99)。公表されたニワトリゲノム配列の分析を通じ、本発明者は、ヒト、マウス、およびハムスターを含む他の種において特徴づけられているβ1,4 GalTファミリーの5つのメンバーに対応する、ニワトリゲノムにおける5つのさらなるGalT(例えばβ 1,4 GalTタイプ3〜7)を同定している。] [0091] マグナム組織を含む数種の組織内での7つのニワトリGalTの発現は、ノーザン分析によって分析されている。図2に示されるように、GalT1の発現はマグナム内でほとんど検出不能であることが見出された一方、それは培養されたニワトリ線維芽細胞内ならびに肝組織および腎組織内で検出可能なレベルで発現された。タイプ6の発現もまたマグナム組織内で検出できなかった。タイプ2〜5および7はすべて、マグナム組織内で発現されることが見出された。] 図2 [0092] GalT1が種々の組織内で偏在的に発現されると考えられていることから、GalT1の発現の欠如は驚くべき結果である(Hennet. Cell Mol Life Sci 59: 1081-95, 2002)。他の試験ではGalT1が多数のニワトリ組織内で発現されることが示されたが、それら試験においてマグナム組織での発現は評価されなかった(Shaper, Meurer, Joziasse, Chou, Smith, Schnaar and Shaper. J Biol Chem 272: 31389-99, 1997)。] [0093] 本発明者は、マグナム内でのGalT1の発現の欠如がN−結合Galの欠如に関与することを見出している。GalT6の発現もまた、ニワトリのマグナム内に不在である。しかし、GalT6は、主として糖脂質ラクトシルセラミドの合成におけるステップであるGalのグルコース−セラミドへの付加に関与するが(Guo, et al. Glycobiology 11: 813-20, 2001)、典型的にはニワトリにおいて生成される他のタンパク質へのGalの付加に関与しないと考えられる。] [0094] したがって、これらの発見を考慮すると、実施例に開示のように、卵管組織内で生成されるタンパク質のN−結合オリゴ糖へのGalの付加をもたらす卵管内で機能しうるプロモーターに作動可能に結合されたGalT1におけるコード配列を有するトランス遺伝子を有するトランスジェニックトリを生成することが本発明の目的である。さらに、想定されるとおり、これらのGalT1トリはまた、タンパク質のN−結合オリゴ糖への一部のシアル酸の付加をもたらす。] [0095] GalT1の発現は、シアル酸に対する結合点として作用しうるマグナム内で生成されるN−結合オリゴ糖へのGalの付加をもたらす。図8で明らかなように、さらなるシアル酸が、通常のトリに対してGalT1トリのマグナム内で生成されるタンパク質のN−結合オリゴ糖構造に付加される。] [0096] また、本発明によると、SialTファミリーのメンバーの発現の欠如が、GalT1トリの場合より多いN−結合オリゴ糖のシアル酸化を可能にする、トランス遺伝子が増強されたグリコシル化トリを提供するように補われうると考えられる。] [0097] 本発明者は、最近配列決定されたニワトリゲノムについて分析し、α2,3 SialTファミリーには全部で6つのメンバーが存在することを見出している。ノーザンブロット法によるSialTの発現の分析についても実施されている。マグナム内でのSialT1の発現(図3)は極めて高い一方、SialT2の発現は低く、これは、卵白タンパク質中に見出されるO−グリカン中のGalβ1,3GalNAc鎖が大部分シアリル化される(一方で、N−グリカン上にほとんど存在しないGalβ1,4GlcNAc鎖は結合されたシアル酸をほとんど有しない)ことから、SialT1が卵白O−グリカン合成において大きな役割を有することを示唆している。マグナム内でのSialT3の発現は検出可能であるが、ニワトリ線維芽細胞、腎臓および肝臓の場合に対してかなり低い(図3)。SialT3の合成が腎臓および肝臓においてかなり盛んであり、かつこれらの器官から生じるN−グリカンが高頻度にシアリル化されるという事実(Ito, Takegawa, Deguchi, Nagai, Nakagawa, Shinohara and Nishimura. Rapid Commun Mass Spectrom 20: 3557-65, 2006; Deguchi, et al. Rapid Commun Mass Spectrom 20: 741-6, 2006; Sasaki, et al. J Biol Chem 262: 12059-76, 1987)は、SialT3がニワトリにおけるN−グリカンのシアリル化において有意な役割を有しうることを示す。SialT4についてはニワトリ線維芽細胞内では弱いシグナル、またマグナムおよび腎臓内ではさらに弱いシグナルが検出された。試験された組織内でのSialT4の低い発現は、SialT4が有しうるニワトリN−グリカンのシアリル化における役割がより小さいことを示唆する。マグナムおよび腎臓におけるSialT6の発現は比較的高く、ニワトリ線維芽細胞および肝臓において検出不能である。] 図3 [0098] したがって、本発明によると、卵管組織内、例えばマグナム組織内で1つ以上の組換えまたは外因性SialTコード配列を発現するトランスジェニックトリが考えられる。一実施形態では、マグナム組織内(例えば管状腺細胞内)で外因性SialTコード配列を発現するトランスジェニックトリ、例えばトランスジェニックニワトリ、すなわち組換えトリ、例えばニワトリのSialTをコードするヌクレオチド配列が考えられる。一実施形態では、外因性SialT1コード配列を発現するトランスジェニックトリが考えられる。一実施形態では、外因性SialT2コード配列を発現するトランスジェニックトリが考えられる。一実施形態では、外因性SialT3コード配列を発現するトランスジェニックトリが考えられる。一実施形態では、外因性SialT4コード配列を発現するトランスジェニックトリが考えられる。一実施形態では、外因性SialT5コード配列を発現するトランスジェニックトリが考えられる。一実施形態では、外因性SialT6コード配列を発現するトランスジェニックトリが考えられる。] [0099] 特に有用な一実施形態では、マグナム組織内(例えば管状腺細胞内)でSialT3コード配列を発現するニワトリなどのトランスジェニックトリが生成される。] [0100] 一実施形態では、卵管内で1種以上のGalTの発現をもたらす1種以上のトランス遺伝子、および卵管内で1種以上のSialTの発現をもたらす1種以上のトランス遺伝子を有する、トランス遺伝子が増強されたグリコシル化トリが本発明に従って生成される。特に有用であるが非限定的な例では、卵管内でGalT1の発現をもたらすトランス遺伝子および卵管内でSialT3の発現をもたらすトランス遺伝子を有するトランスジェニックトリが本発明に従って生成される。別の非限定例では、卵管内でGalT1の発現をもたらすトランス遺伝子および卵管内でSialT3の発現をもたらすトランス遺伝子および卵管内でSialT4の発現をもたらすトランス遺伝子を有するトランスジェニックトリが本発明に従って生成される。別の非限定例では、卵管内でGalT1の発現をもたらすトランス遺伝子および卵管内でGalT6の発現をもたらすトランス遺伝子および卵管内でSialT3の発現をもたらすトランス遺伝子および卵管内でSialT4の発現をもたらすトランス遺伝子を有するトランスジェニックトリが本発明に従って生成される。] [0101] トリゲノムにおける2つ以上(例えば、2つ、3つまたは4つもしくはそれ以上)の外因性ヌクレオチド配列の発現に有用な多数の方法は当業者にとって明らかである。例えば、内部リボソーム進入部位(IRES)を有する単一の転写産物を使用する1つのかかる方法が実施例6に記載される。別の例では、第1の所望されるトランス遺伝子を有する完全トランスジェニックトリ(すなわちG1トランスジェニックまたはG1トランスジェニックの子孫)は、標準的方法を用いてそのゲノム内に導入される第2のトランス遺伝子を有しうる。すなわち、トランス遺伝子は、第1のトランス遺伝子の場合と本質的に同じ方法で完全トランスジェニックトリに導入されうる。別の例では、当該技術分野で理解されるように、完全トランスジェニックトリは、所望されるトランス遺伝子を有する第2の完全トランスジェニックトリに交配されうる。これらのプロセスを繰り返すことで、所望される数のトランス遺伝子がゲノムに導入されうる。] [0102] 本発明による使用において、本明細書中に開示されるIRESを含む任意の有用なIRESおよび任意の他の有用なIRES(例えば口蹄疫ウイルスIRES、例えばBelsham and Brangwyn (1990) J of Virology, vol 64, p 5389-5395)が考えられる。] [0103] 例えば2007年8月2日に公開されたUS patent publication No. 2007/0180546;2007年4月5日に公開されたUS patent publication No. 2007/0077650、および2008年3月13日に公開されたUS patent publication No. 2008/0064862(これら3つの特許出願の各々の開示はそれら全体が参照により本明細書中に援用される)において開示される方法を含む任意の有用な方法を用い、本発明のトランス遺伝子がトリゲノムに導入されうる。1つの検討事項が、これらの引用される文書中に開示される方法に従って生成されるタンパク質が、卵白に分泌されるようにシグナル配列によって生成された一方、本発明に従って生成されるグリコシルトランスフェラーゼが細胞から分泌されることがなく、それ故に典型的にはシグナル配列を含むことがないという点である。] [0104] 本発明によって有用になりうる任意の遺伝子発現制御領域(例えばプロモーター)が本発明による使用として考えられる。例えば、トリ卵管内で機能することが示されているCMVおよびβ−アクチンなどの構成プロモーターが使用されうる。例えば、2006年1月19日に公開されたUS patent publication No. 2006/0015960および2006年6月29日に公開された2006/0143725を参照のこと。これら2つの特許出願の各々の開示はその全体が参照により本明細書中に援用される。特に有用な一実施形態では、プロモーターは、オボムコイドプロモーター、オバルブミンプロモーター、およびリゾチームプロモーター、コンアルブミンプロモーター、オボムシンプロモーター、オボトランスフェリンプロモーターなどの卵管内で第一にまたは排他的に発現されるプロモーターである。例えば、2005年8月11日に公開されたUS patent publication No. 2005/0176047;2007年2月13日に交付されたUS Patent No. 7,176,300;2007年5月31日に公開されたUS patent publication No. 2007/0124829;および2006年6月15日に公開されたUS patent publication No. 2006/0130170を参照のこと。これら3つの特許出願および1つの交付済み特許の各々の開示はその全体が参照により本明細書中に援用される。かかるプロモーターは、トランスジェニックトリの健康または生存に対して問題でありうるトリの卵管組織以外の組織内でのグリコシルトランスフェラーゼの過剰発現を回避するのに有用でありうる。本発明において有用な他のプロモーターとして、例えば限定はされないが、MDOTプロモーターおよびラウス肉腫ウイルス(RSV)プロモーター、ネズミ白血病ウイルス(MLV)プロモーター、マウス乳腺腫瘍ウイルス(MMTV)プロモーターおよびSV40プロモーター、ならびにこれらのプロモーターの各々の機能的部分が挙げられる。本発明において有用でありうる他のプロモーターとして、限定はされないが、Pol IIIプロモーター(例えば、タイプ1、タイプ2およびタイプ3 Pol IIIプロモーター)、例えばH1プロモーター、U6プロモーター、tRNAプロモーター、リボヌクレアーゼMPRプロモーターおよびこれらのプロモーターの各々の機能的部分が挙げられる。典型的には、当該技術分野で理解されるように、機能的ターミネーター配列が、使用されるプロモーターに応じて本発明での使用において選択される。] [0105] 有用な一実施形態では、本質的に2007年5月17日に公開されたUS patent publication No. 2007/0113299(その開示はその全体が参照により本明細書中に援用される)中に開示される1.8kbのオボムコイドプロモーターが使用される。1.8kbのOMプロモーターは、実施例3に見られるマグナム細胞内でのGalTコード配列の有用な発現をもたらしている。1.8kbのオボムコイドプロモーターの制御下での卵管内での生成については、他のグリコシル化酵素が考えられる。] [0106] 本発明のトランス遺伝子が増強されたグリコシル化トリにおける生成について考えられるタンパク質は、具体的には、限定はされないが1つ以上のN−結合オリゴ糖構造を有するヒトタンパク質を含む治療タンパク質を含む。かかるタンパク質は、限定はされないが、次のタンパク質、例えば、適用可能な場合、そのヒトタンパク質相当物、すなわち、融合タンパク質、生長ホルモン、サイトカイン、構造タンパク質および酵素、例えば、ヒト生長ホルモン、インターフェロン、リゾチーム、およびβ−カゼイン、アルブミン、α−1アンチトリプシン、アンチトロンビンIII、コラーゲン、因子VIII、IX、X(など)、フィブリノーゲン、インスリン、ラクトフェリン、プロテインC、エリスロポエチン(EPO)、顆粒球コロニー刺激因子(G−CSF)、顆粒球マクロファージコロニー刺激因子(GM−CSF)、組織型プラスミノゲン活性化因子(tPA)、ソマトトロピン、およびキモトリプシン、グルコセレブロシダーゼ、リソソーム酸リパーゼ、βガラクトシダーゼおよびノイラミニダーゼ;ガラクトシルセラミダーゼ(GALC);アガルシダーゼα(Replagal)、アガルシダーゼβ(Fabrazyme)またはαガラクトシダーゼA;α−グルコシダーゼ;酸スフィンゴミエリナーゼ(rhASM);ガラクトシルセラミダーゼ(GALC);修飾免疫グロブリンおよび抗体、例えばヒト腫瘍細胞上の表面抗原に結合しうる免疫毒素、b−ドメイン欠損因子VIII、因子VIIa、抗凝固剤;ヒルジン、アルテプラーゼ、tpa、レテプラーゼ、tpa、tpa(5つのうち3つのドメインが欠損)、インスリン、インスリンリスプロ、インスリンアスパルト、インスリングラルギン、長期作用型インスリンアナログ、hgh、グルカゴン、tsh、ホリトロピン−β、fsh、gm−csf、pdgh、ifnα2、ifnα2a、ifnα2b、inf−α、inf−β1b、ifn−β1a、ifn−γ1b、il−2、il−11、hbsag、ospa、t−リンパ球抗原に特異的なmab、tag−72に特異的なmab、腫瘍関連糖タンパク質、血小板表面受容体gpII(b)/III(a)に特異的なキメラmabに由来するfab断片、腫瘍関連抗原ca125に特異的なmabもしくはmab断片、ヒト癌胎児抗原ceaに特異的なmabもしくはmab断片、ヒト心筋ミオシンに特異的なmabもしくはmab断片、腫瘍表面抗原psmaに特異的なmabもしくはmab断片、hmw−maaに特異的なmab断片(fab/fab2ミックス)、癌関連抗原に特異的なmabもしくはmab断片(fab)、表面顆粒球非特異的交差反応抗原nca 90に特異的なmab断片(fab)、Bリンパ球の表面上に見出されるcd20抗原に特異的なキメラmab、il2受容体のα鎖に特異的なヒト化mab、il2受容体のα鎖に特異的なキメラmab、TNF−αに特異的なキメラmab、呼吸器多核体ウイルスの表面上のエピトープに特異的なヒト化mab、her 2(ヒト表皮成長因子受容体2)に特異的なヒト化mab、サイトケラチン腫瘍関連抗原抗−ctla4に特異的なヒトmab、Bリンパ球ドルナーゼ−α dnaseのcd20表面抗原に特異的なキメラmab、βグルコセレブロシダーゼ、TNF−α、il−2−ジフテリア毒素融合タンパク質、tnfr−lgg断片融合タンパク質ラロニダーゼ、DNAアーゼ、mab、アレファセプト、トシツモマブ、アレムツズマブ、ラスブリカーゼ、アガルシダーゼβ、テリパラチド、副甲状腺ホルモン誘導体、アダリムマブ(lgg1)、アナキンラ、生物学的修飾因子、ネシリチド、ヒトb−型ナトリウム利尿ペプチド(hbnp)、コロニー刺激因子、ペグビソマント、ヒト生長ホルモン受容体アンタゴニスト、組換え型活性化プロテインc、オマリズマブ、免疫グロブリンe(lge)ブロッカー、イブリツモマブチウキセタン、ACTH、グルカゴン、ソマトスタチン、ソマトトロピン、サイモシン、副甲状腺ホルモン、色素ホルモン、ソマトメジン、エリスロポエチン、黄体ホルモン、絨毛性ゴナドトロピン、視床下部放出因子、エタネルセプト、制尿ホルモン、プロラクチン、甲状腺刺激ホルモン、免疫グロブリンを含む多量体タンパク質、例えば抗体、およびその抗原結合断片、可変領域もしくはその変異体を含む免疫グロブリン重鎖ポリペプチド(D領域、J領域、C領域、もしくはそれらの組み合わせを含みうる);可変領域もしくはその変異体を含む免疫グロブリン軽鎖ポリペプチド(J領域およびC領域を含みうる);免疫グロブリン重鎖可変領域、免疫グロブリン軽鎖可変領域、およびリンカーペプチドを含むことで、抗原に選択的に結合可能な単鎖抗体を形成する、少なくとも1つの発現ベクターによってコードされる免疫グロブリンポリペプチド;転移性乳癌を有する患者の治療のためのヒト化抗−HER2モノクローナル抗体であるHERCEPTIN(商標)(トラスツズマブ)(Genentech,CA);血餅形成の予防のための血小板上の抗糖タンパク質IIb/IIIa受容体であるREOPRO(商標)(アブシキシマブ)(Centocor);急性腎同種移植片拒絶の予防のための免疫抑制性ヒト化抗−CD25モノクローナル抗体であるZENAPAX(商標)(ダクリズマブ)(Roche Pharmaceuticals,Switzerland);抗−l7−IA細胞表面抗原IgG2a抗体であるPANOREX(商標)(Glaxo Wellcome/Centocor);マウス抗−イディオタイプ(GD3エピトープ)IgG抗体であるBEC2(ImClone System);キメラ抗−EGFRIgG抗体であるIMC−C225(ImClone System);ヒト化抗−αVβ3インテグリン抗体であるVITAXIN(商標)(Applied Molecular Evolution/MedImmune);Campath;ヒト化抗CD52 IgG1抗体であるCampath 1H/LDP−03(Leukosite);ヒト化抗−CD33 IgG抗体であるSmart M195(Protein Design Lab/カネボウ);キメラ抗−CD20 IgG1抗体であるRITUXAN(商標)(IDEC Pharm/Genentech,Roche/Zettyaku);ヒト化抗−CD22 IgG抗体であるLYMPHOCIDE(商標)(Immunomedics);ヒト化抗−ICAM3抗体であるICM3(ICOS Pharm);霊長類抗−CD80抗体であるIDEC−114(IDEC Pharm/三菱);放射性標識マウス抗−CD20抗体であるZEVALIN(商標)(IDEC/Schering AG);ヒト化抗−CD40L抗体であるIDEC−13l(IDEC/エーザイ);プリマタイズした(primatized)抗−CD4抗体であるIDEC−151(IDEC);プリマタイズした抗−CD23抗体であるIDEC−152(IDEC/生化学工業);ヒト化抗−CD3 IgGであるSMART抗−CD3(Protein Design Lab);ヒト化抗補体因子5(CS)抗体である5G1.1(Alexion Pharm);ヒト化抗−TNF−α抗体であるD2E7(CATIBASF);ヒト化抗−TNF−αFab断片であるCDP870(Celltech);プリマタイズした抗−CD4 IgG1抗体であるIDEC−151(IDEC Pharm/SmithKline Beecham);ヒト抗−CD4 IgG抗体であるMDX−CD4(Medarex/エーザイ/Genmab);ヒト化抗−TNF−α IgG4抗体であるCDP571(Celltech);ヒト化抗−α4β7抗体であるLDP−02(LeukoSite/Genentech);ヒト化抗−CD4 IgG抗体であるOrthoClone OKT4A(Ortho Biotech);ヒト化抗−CD40L IgG抗体であるANTOVA(商標)(Biogen);ヒト化抗−VLA−4 IgG抗体であるANTEGREN(商標)(Elan);ヒト抗−TGF−β2抗体であるCAT−152(Cambridge Ab Tech);モノクローナル抗−EGF受容体(EGFr)抗体であるセツキシマブ(BMS);抗−VEGFヒトモノクローナル抗体であるベバシズマブ(Genentech);自己免疫疾患の治療に使用されるキメラ(マウスおよびヒト)モノクローナル抗体であるインフリキシマブ(Centocore,JJ);化学療法に使用されるモノクローナル抗体であるゲムツズマブ・オゾガマイシン(Wyeth);黄斑変性の治療に使用されるキメラ(マウスおよびヒト)モノクローナル抗体であるラニビズマブ(Genentech)、GM−CSF、インターフェロンβ、融合タンパク質、CTLA4−Fc融合タンパク質、生長ホルモン、サイトカイン、ストラクチュラル(structural)、インターフェロン、リゾチーム、β−カゼイン、アルブミン、α−1アンチトリプシン、アンチトロンビンIII、コラーゲン、因子VIII、IX、X(など)、フィブリノーゲン、ラクトフェリン、プロテインC、組織型プラスミノゲン活性化因子(tPA)、ソマトトロピン、およびキモトリプシン、免疫グロブリン、抗体、免疫毒素、因子VIII、b−ドメイン欠損因子VIII、因子VIIa、因子IX、抗凝固剤;ヒルジン、アルテプラーゼ、tpa、レテプラーゼ、tpa、tpa(5つのうち3つのドメインが欠損)、インスリン、インスリンリスプロ、インスリンアスパルト、インスリングラルギン、長期作用型インスリンアナログ、グルカゴン、tsh、ホリトロピン−β、fsh、pdgh、inf−β、ifn−β1、ifn−β2、ifn−α、ifn−α1、ifn−α2、ifn−γ、il−2、il−11、hbsag、ospa、ドルナーゼ−α dnase、βグルコセレブロシダーゼ、TNF−α、il−2−ジフテリア毒素融合タンパク質、tnfr−lgg断片融合タンパク質ラロニダーゼ、DNAアーゼ、アレファセプト、トシツモマブ、マウスmab、アレムツズマブ、ラスブリカーゼ、アガルシダーゼβ、テリパラチド、副甲状腺ホルモン誘導体、アダリムマブ(lgg1)、アナキンラ、生物学的修飾因子、ネシリチド、ヒトb−型ナトリウム利尿ペプチド(hbnp)、コロニー刺激因子、ペグビソマント、ヒト生長ホルモン受容体アンタゴニスト、組換え型活性化プロテインc、オマリズマブ、免疫グロブリンe(lge)ブロッカー、イブリツモマブ・チウキセタン、ACTH、グルカゴン、ソマトスタチン、ソマトトロピン、サイモシン、副甲状腺ホルモン、色素ホルモン、ソマトメジン、黄体ホルモン、絨毛性ゴナドトロピン、視床下部放出因子、エタネルセプト、制尿ホルモン、プロラクチンおよび甲状腺刺激ホルモン、免疫グロブリンポリペプチド、免疫グロブリンポリペプチドD領域、免疫グロブリンポリペプチドJ領域、免疫グロブリンポリペプチドC領域、免疫グロブリン軽鎖、免疫グロブリン重鎖、免疫グロブリン重鎖可変領域、免疫グロブリン軽鎖可変領域およびリンカーペプチドを含む。] [0107] 通常はN−グリコシル化されない本明細書中で開示されるようなタンパク質は、当業者によって理解されるように、トリ系においてグリコシル化されたグリコシル化部位(すなわちN−結合グリコシル化部位)を有するように改変されうる。さらに、本明細書中で開示されるようなタンパク質は、1つ以上の追加的なN−結合グリコシル化部位を有するように改変されうる。一実施形態では、グリコシル化部位が付加されたタンパク質は、本明細書で開示のように生成される末端修飾基で1つ以上のN−結合オリゴ糖構造に結合している。] [0108] 特に、本明細書で開示されるように生成されるタンパク質が当業者に周知の方法を用いて単離または精製されうると考えられる。] [0109] 一実施形態では、本発明に従って生成されるトリによって産まれる卵は、本明細書で開示されるように卵管内で生成される改変グリコシル化パターンを有する外因性または異種タンパク質(治療タンパク質など)を約0.01μg/ハードシェル卵(hard−shell egg)を超える量で含有する。例えば、卵は異種タンパク質を約0.01μg/ハードシェル卵〜約2g/ハードシェル卵の範囲内の量で含有しうる。一実施形態では、卵は約0.1μg/ハードシェル卵〜約1g/ハードシェル卵で含有する。例えば、卵は約1μg/ハードシェル卵〜約1g/ハードシェル卵で含有しうる。一実施形態では、卵は約10μg/ハードシェル卵〜約1g/ハードシェル卵で含有する。例えば、卵は約100μg/ハードシェル卵〜約1g/ハードシェル卵で含有しうる(例えば、卵は約100μg/ハードシェル卵および約100mg/ハードシェル卵で含有しうる)。] [0110] 典型的には、本明細書で開示される改変グリコシル化パターンを有する異種タンパク質(例えば治療タンパク質)は卵の卵白内に存在する。一実施形態では、異種タンパク質は卵白内に卵の約0.01μg/mlを超える量で存在する。別の実施形態では、異種タンパク質は卵白の約0.01μg/ml〜卵白の約0.2g/mlの範囲内の量で卵白内に存在する。例えば、異種タンパク質は、卵白の約0.1μg/ml〜卵白の約0.5g/mlの範囲内の量で卵白内に存在しうる。一実施形態では、異種タンパク質は卵白の約1μg/ml〜卵白の約0.2g/mlの範囲内の量で卵白内に存在する。例えば、異種タンパク質は卵白の約10μg/ml〜卵白の約0.1g/mlの範囲内の量で卵白内に存在しうる(例えば、異種タンパク質は卵白の約10μg/ml〜卵白の約5g/mlの範囲内の量で卵白内に存在しうる)。] [0111] 本発明ではまた、例えば2006年10月23日に出願されたUS patent application No. 11/584,832(その開示はその全体が参照により本明細書中に援用される)で考察のように、本明細書で開示されるように生成されるタンパク質のペグ化が有利でありうると考えられる。] [0112] 本発明に従って生成される治療タンパク質は生の形態で投与可能であると考えられる一方、治療タンパク質を薬学的製剤の一部として投与することが好ましい。] [0113] したがって、本発明は、本発明に従って生成される治療タンパク質または薬学的に許容可能なその誘導体とともに、1つ以上の薬学的的に許容可能なその担体と場合により他の治療的および/または予防的成分を含む薬学的製剤、ならびにかかる薬学的製剤を投与する方法をさらに提供する。担体は、製剤の他の成分と適合しかつそのレシピエントに対して有害ではないという意味で「許容可能」でなければならない。本発明の薬学的組成物を使用して患者を治療する方法(例えば、投与される医薬タンパク質の量、投与の頻度および治療期間の持続)は、当該技術分野の医師に既知の標準的方法を用いて決定されうる。] [0114] 薬学的製剤は、経口、直腸、経鼻、局所(口腔および舌下を含む)、経膣投与に適切なものを含む。薬学的製剤は、筋肉内、皮下および静脈内投与を含む注射による投与に適切なものを含む。薬学的製剤はまた、吸入または吸送による投与に適切なものを含む。製剤は、必要に応じ、便宜的に個別の用量単位で存在する場合があり、薬学の技術分野で周知の方法のいずれかによって調製されうる。薬学的製剤を生成する方法は、典型的には、治療タンパク質を液体担体または微粉化した固体担体またはその両方と会合状態にするステップと、次いで必要があれば生成物を所望される製剤に成形するステップを含む。] [0115] 経口投与に適切な薬学的製剤は、便宜的にカプセル、カシェまたはタブレット(それぞれは予め定められた量の活性成分を粉末もしくは顆粒として、溶液として、懸濁液として、またはエマルジョンとして含有する)などの個別の単位として存在する場合がある。活性成分は、はまた、ボーラス、舐剤またはペーストとして存在しうる。経口投与用のタブレットおよびカプセルは、結合剤、充填剤、潤滑剤、崩壊剤、または浸潤剤などの従来の賦形剤を含有しうる。タブレットは、当該技術分野で周知の方法に従ってコーティングされうる。経口液体製剤は、例えば、水性または油性懸濁剤、溶液、エマルジョン、シロップまたはエリキシルの形態で存在しうるか、または使用前、水または他の適切な媒体との組成のために乾燥生成物として存在しうる。かかる液体製剤は、懸濁剤、乳化剤、食用油を含みうる非水性媒体、または保護剤などの従来の添加剤を含有しうる。] [0116] 非経口的投与(例えば、注射、例えばボーラス注射または連続注入による)のために調合される本発明の治療タンパク質は、アンプル、既充填シリンジ、小容量注入における単位用量形態、または保護剤が添加された複数回投与容器において提供されうる。治療タンパク質は、例えば、皮下注射、筋肉内注射、および静脈内注入または注射によって注射されうる。] [0117] 治療タンパク質は、油性または水性媒体中で懸濁液、溶液、またはエマルジョンなどの形態をとる場合があり、かつ懸濁剤、安定化剤および/または分散剤などの製剤化剤(formulatory agents)を含有しうる。また、治療タンパク質は、使用前、適切な媒体、例えば無菌のピロゲン−フリー水(pyrogen−free water)との組成のため、無菌固体の無菌単離または溶液からの凍結乾燥によって得られる粉末形態で存在しうると考えられる。] [0118] 表皮への局所投与においては、本発明に従って生成される治療タンパク質は、軟膏、クリームまたはローションとしてまたは経皮パッチとして調合されうる。軟膏およびクリームは、例えば適切な増粘剤および/またはゲル化剤が添加された水性または油性基剤と調合されうる。ローションは水性または油性基剤と調合される場合があり、かつ一般に1種以上の乳化剤、安定化剤、分散剤、懸濁剤、増粘剤または着色剤も含有することになる。] [0119] 口腔における局所投与に適切な製剤は、スクロースおよびアカシアまたはトラガカントなどの風味のある基剤中に活性成分を含有するロゼンジ;ゼラチンおよびグリセリンまたはスクロースおよびアカシアなどの不活性基剤中に活性成分を含有するトローチ;ならびに適切な液体担体中に活性成分を含有するマウスウォッシュを含む。] [0120] 担体が固体である、直腸投与に適切な薬学的製剤は、最も好ましくは単位用量座剤として表される。適切な担体はココアバターおよび当該技術分野で一般に使用される他の材料を含み、かつ座剤は便宜的に活性化合物と軟化または溶融担体との混合、その後の冷却および成型によって形成されうる。] [0121] 膣内投与に適切な製剤は、活性成分に加え、当該技術分野で適切であることが知られているような担体を含有するペッサリー、タンポン、クリーム、ジェル、ペースト、泡またはスプレーとして示されうる。] [0122] 鼻内投与においては、本発明の治療タンパク質は、液体スプレーまたは分散性粉末としてかまたはドロップの形態で使用されうる。] [0123] ドロップは、1つ以上の分散剤、可溶化剤または懸濁剤も含有する水性または非水性基剤と調合されうる。液体スプレーは便宜的に加圧パックから送達される。] [0124] 吸入による投与においては、本発明に記載の治療タンパク質は、便宜的に吸入器、噴霧器または加圧パックまたはエアロゾルスプレーを送達する他の便利な手段から送達されうる。加圧パックは、ジクロロジフルオロメタン、トリクロロフルオロメタン、ジクロロテトラフルオロエタン、二酸化炭素または他の適切な気体などの適切な推進剤を含有しうる。加圧されたエアロゾルの場合、用量単位は定量(metered amount)を送達するための弁を提供することによって決定されうる。] [0125] 吸入または吹送による投与においては、本発明に記載の治療タンパク質は、乾燥粉末組成物、例えば同化合物と乳糖またはデンプンなどの適切な粉末基剤の粉末混合物の形態をとりうる。粉末組成物は、単位剤形、例えばカプセルまたはカートリッジ、あるいは例えばゼラチンまたはブリスターパックで提供可能であり、そこから粉末が吸入器または吹送器の補助で投与されうる。] [0126] 所望される場合、上記の製剤は、活性成分の徐放をもたらすように適合させて使用してもよい。] [0127] 本発明に記載の薬学的組成物はまた、抗菌剤または保護剤などの他の活性成分を含有しうる。さらに、本発明の治療タンパク質が他の治療剤と併用されうると考えられる。] [0128] 本発明の組成物または化合物を使用し、種々の症状が治療されうる。例えば、細胞培養物(例えばCHO細胞)から得られる治療タンパク質が使用される、治療法が当該技術分野の医師に既知である症状は多い。本発明では、本発明に従って生成される治療タンパク質を使用し、かかる症状が治療されうると考えられる。すなわち、本発明では、本発明に従って生成される治療タンパク質の使用による、従来式に生成された治療タンパク質によって治療可能であることが知られた症状の治療について検討される。例えば、本発明に従って生成されるエリスロポエチンを使用し、貧血および腎疾患、例えば慢性腎不全などのヒトの症状(または本発明のEPOの投与によって治療可能でありうる他の症状)が治療されうる。] [0129] 一般に、投与される用量は、レシピエントの年齢、健康および体重、併用療法のタイプ、治療の頻度などの既知の要素に応じて変化しうる。通常、活性成分の用量は約0.0001〜約10mg/kg体重でありうる。正確な用量、投与の頻度および治療の期間は、各治療タンパク質の投与の当該技術分野の医師によって決定されうる。] [0130] 図6に少なくとも部分的に示されるベクターのヌクレオチド配列は本明細書中、例えば図9〜11に開示される。また、典型的なグリコシルトランスフェラーゼアミノ酸配列およびグリコシルトランスフェラーゼをコードするヌクレオチド配列が示され、それらは本発明による使用が考えられるものの例である。例えば図12〜28に開示される、本明細書で開示されるアミノ酸配列の各々に対して80%、85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%および99%同一または相同であるアミノ酸配列もまた、本発明による使用が考えられる。例えば図9〜28に開示される、本明細書で開示されるヌクレオチド配列の各々に対して80%、85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%および99%同一または相同であるヌクレオチド配列もまた、本発明による使用が考えられる。] 図6 [0131] コード配列は、本明細書で開示されるグリコシルトランスフェラーゼに使用され、当該技術分野の医師はこれらの特定のコード配列からアミノ酸配列を決定できる。したがって、本発明は、本明細書で開示されるグリコシルトランスフェラーゼコード配列の各々によってコードされるアミノ酸配列に対して80%、85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%および99%同一である、グリコシルトランスフェラーゼとして機能するアミノ酸配列をコードすることになるヌクレオチド配列を含む。] [0132] また、本明細書で開示されるヌクレオチドおよびアミノ酸配列の各々の本発明の機能的断片に従う使用は本発明の範囲内に含まれる。] [0133] 糖(例えばシアル酸、ガラクトース)をタンパク質のN−結合オリゴ糖構造に付加するための本明細書で開示される概念および方法はまた、他の動物および植物などの他の生物における使用が考えられる。] [0134] 本発明は、以下の実施例によってさらに例示され、それは例示目的で提供され、限定するものとして解釈されるべきではない。すべての参考文献、公開された特許出願および本願全体を通じて引用される特許の内容は、それら全体が参照により本明細書中に援用される。] [0135] 実施例1 トリ卵管内でGalT1を発現するためのベクターの設計および作成 GalT1コード配列は、ニワトリマグナム内での発現のために最適化されたコドンの使用を伴う組込みDNA技術(Coralville,IA)によって合成され、下記に示される(配列番号40)。] [0136] 合成コード配列を、図6Aに示される(配列は図9に示される)オボムコイド(OM)プロモーター下流のALVベクター(gag、polおよびenv遺伝子が欠失)に挿入した。] 図6A [0137] ALVベクターのLTRが自己不活性化(SIN)していることから、ベクターはpALV−SINと称され、2008年3月13日に公開されたUS patent publication No. 2008/0064862(その開示はその全体が参照により本明細書中に援用される)中に開示されている。使用されるベクターはまた、US patent publication No. 2008/0064862中に開示されるSC−陰性ベクターである。すなわち、力価測定(titering)に使用される遺伝子(すなわちネオマイシン耐性遺伝子)に関連した因子はpALV−SINから除去されている。] [0138] 図6A(図9)に示されるpALV−SINベクターでは、ガラクトシルトランスフェラーゼコード配列のマグナムに特異的な発現の駆動に使用される1.8kbのオボムコイド(OM)プロモーターを使用する。OMタンパク質は主要な卵白タンパク質の中の1つであり、またOM遺伝子の発現は本質的にマグナムに限定される。ベクターはpALV−SIN−GalT1と称される。] 図6A [0139] 実施例2 GalT1トランス遺伝子が増強されたトリの生成 実施例1に記載のように生成されたpALV−SIN−GalT1ベクターを、2007年4月5日に公開されたUS patent publication No. 2007/0077650中に開示された一時的形質移入法によってウイルス粒子にパッケージングした。] [0140] ウイルスを有する培地を形質移入の48時間後に回収し、遠心分離によって濃縮した直後、ウインドウが設けられた(windowed)卵のステージX胚(ステージXは典型的には新たに産生された卵内に見出される約50,000個の細胞胚)に注射した。] [0141] 約150個の胚に注射した。卵をホットグロープラグ(hot glue plug)で密封し、インキュベートした(Andacht, et al. Mol Reprod Dev 69: 31-4, 2004)。ニワトリ42匹が約21日後に孵化し、1週間後、血液DNAにおけるトランス遺伝子の存在について評価した。孵化したニワトリは世代0に対してG0と称される。] [0142] 遺伝子組換え手順の奏功を評価するため、Taqman(登録商標)定量PCRシステムを使用し、孵化したG0ニワトリの血液DNA中でのトランス遺伝子含量を測定した(Harvey, et al. Poultry Science 81: 202-12, 2002)。プライマー、および蛍光標識で標識したプローブをグリコシルトランスフェラーゼCDSの配列に基づいて設計した。血液DNAを精製し、Picogreen(登録商標)キットによって定量し、Taqmanアッセイで分析した。ニワトリの約80%がそれらの血液DNA中に検出可能なレベルのトランス遺伝子を有した。] [0143] さらなる分析を行い、組み込まれたトランス遺伝子が無傷であることを確認した。PCRプライマーを使用し、陽性ニワトリの血液DNA由来のトランス遺伝子の様々な部分(OMプロモーター、CDSおよび3’未翻訳領域)を増幅し、PCR産物のサイズをアガロースゲル電気泳動によって測定した。試験したすべてのGalT1陽性G0トリは、無傷のトランス遺伝子のコピーを有することが見出された。] [0144] 実施例3 完全トランスジェニックGalT1トリの生成、およびトランス遺伝子が増強されたグリコシル化の評価 精液を実施例2のG0雄鳥から採取し、精液DNAにおけるトランス遺伝子含量について、Taqmanアッセイによって分析した(Harvey, Speksnijder, Baugh, Morris and Ivarie. Poultry Science 81: 202-12, 2002)。最高のトランス遺伝子含量を有する雄鳥を野生型ニワトリと交配させ、子孫をTaqmanによって分析し、完全トランスジェニックG1を同定した。] [0145] 卵をG1ニワトリ13匹から収集した。卵白タンパク質を、タンパク質からN−結合オリゴ糖(N−グリカン)を特異的に放出するPNGaseで処理した。N−グリカンを精製し、構造をMALDI−MS分析によって判定し、その結果を図8に示す。図から明らかなように、結果は、多量のガラクトースが多数のオリゴ糖構造に付加されている状態での本発明の有効性を示している。さらに、図8A〜8Cは、野生型(図8D)ニワトリ由来のタンパク質のオリゴ糖構造の場合より多量のシアル酸がGalT1トリのタンパク質のオリゴ糖構造に付加されていることを示す。] 図8A 図8B 図8C 図8D [0146] 実施例4 SialT3トランス遺伝子が増強されたトリを発現するためのベクターの設計および作成 SialT3コード配列は、ニワトリマグナム内での合成ニワトリα−2,3−シアリルトランスフェラーゼタイプ3における発現のために最適化されたコドンを使用して合成されており、下記に示される(配列番号41)。] [0147] 合成コード配列を、図6Bに示されるオボムコイド(OM)プロモーターの下流のpALV−SINベクターに挿入し、図10に示される配列pALV−SIN−SialT3を生成した。コンストラクトを作成し、次いでG0トリを生成し、本質的に実施例1および2でGalT1 G0トリについて記載のように分析し、G1トリを本質的に実施例3でGalT1トリについて記載のように生成する。] 図6B [0148] 実施例5 SialT3陽性トリとGalT1陽性トリの交配によるSialT3/GalT1トランス遺伝子が増強されたトリの生成 当該技術分野で理解されるように、実施例3のGalT1 G1トリ(または2つのGalT1 G1トリの交配から得られるホモ接合G2 GalT1トリ)の1つ以上を、実施例4のSialT3 G1トリと交配させる(または2つのSialT3 G1トリの交配から得られるホモ接合G2 SialT3トリと交配させる)ことで、得られた子孫トリはGalT1およびSialT3トランス遺伝子の双方を有する。当該技術分野で理解されるように、これらのトリを互いに2回交配させることで、両方のトランス遺伝子に対してホモ接合であるトリが生成されうる。] [0149] 実施例6 単一の発現ベクターを使用する、SialT3およびGalT1トランス遺伝子が増強されたトリを生成するためのベクターの設計および作成 GalT1およびSialT3コード配列を、実施例1および実施例4などのようにニワトリマグナム内での発現のために最適化されたコドンを使用して合成する。コード配列を、単一の1.8kbのオボムコイドプロモーターの下流の単一のレトロウイルスベクターに挿入する。2番目または下流CDSの翻訳をもたらす配列(例えばIRES)をGalT1〜SialT3 CDSの間に挿入することで、図6Cおよび図11に示される、バイシストロニックメッセージを有するベクターを生成する。] 図6C [0150] GalT1の翻訳を上流翻訳開始部位によって開始し、SialT3の翻訳を内部リボソーム進入部位(IRES)によって開始することで、GalT1およびSialT3 CDSの双方が同じmRNAから発現される。図6CにおけるIRESは脳心筋炎ウイルス(EMCV)に由来する(Jang, et al. J Virol 62: 2636-43., 1988; Ghattas, et al. Mol Cell Biol 11: 5848-59, 1991)。] 図6C [0151] ベクターをトリ(例えば、ニワトリ、ウズラ、シチメンチョウ)胚に挿入することで、本質的にpALV−SIN−GalT1についての上記実施例における記載のようにG0 G1が得られる。当該技術分野で理解されるように、ホモ接合体が得られうる。] [0152] 本明細書中に引用されるすべての参考文献は、各々の個別の出版物、特許または特許出願があらゆる目的でその全体が参照により本明細書中に援用されることが具体的かつ個別に示唆されるのと同程度に、それら全体があらゆる目的で参照により本明細書中に援用される。] [0153] いずれの出版物の引用も、出願日前におけるその開示を目的とし、かつ、本発明が先行発明によってかかる出版物に先行する権利がないことの承認として解釈されるべきではない。] 実施例 [0154] 本発明が様々な特定の実施例および実施形態に関連して説明されている一方、本発明はそれらに限定されることなく、以下の特許請求の範囲の範囲で様々に実行されうると理解されるべきである。]
权利要求:
請求項1 グリコシルトランスフェラーゼコード配列を含むトランス遺伝子を有するトランスジェニックトリであって、ここで前記トランスジェニックトリの卵管組織は、少なくとも1つの糖を含むN−結合オリゴ糖を有するタンパク質を生成し、ここで前記オリゴ糖は前記トランス遺伝子の不在下であれば前記糖を含まない、トランスジェニックトリ。 請求項2 前記グリコシルトランスフェラーゼがN−アセチルグルコサミニルトランスフェラーゼである、請求項1に記載のトランスジェニックトリ。 請求項3 前記グリコシルトランスフェラーゼがN−アセチルグルコサミニルトランスフェラーゼ3である、請求項1に記載のトランスジェニックトリ。 請求項4 前記卵管組織がマグナム組織である、請求項1に記載のトランスジェニックトリ。 請求項5 前記卵管組織が管状腺細胞を含む、請求項1に記載のトランスジェニックトリ。 請求項6 前記卵管組織の細胞が卵白の存在下で前記タンパク質を分泌する、請求項1に記載のトランスジェニックトリ。 請求項7 前記トランス遺伝子がLTRを含む、請求項1に記載のトランスジェニックトリ。 請求項8 前記トランス遺伝子が卵管に特異的なプロモーターを含む、請求項1に記載のトランスジェニックトリ。 請求項9 請求項1に記載のトランスジェニックトリによって生成される前記タンパク質を単離するステップを含む方法。 請求項10 前記タンパク質が前記トリに対して外因性である、請求項1に記載のトランスジェニックトリ。 請求項11 請求項10に記載のトランスジェニックトリによって生成される前記外因性タンパク質を単離するステップを含む方法。 請求項12 前記タンパク質が治療タンパク質である、請求項1に記載のトランスジェニックトリ。 請求項13 前記トリがニワトリである、請求項1に記載の方法。 請求項14 ガラクトシルトランスフェラーゼコード配列を含むトランス遺伝子を有するトランスジェニックトリであって、ここで前記トランスジェニックトリの卵管組織は、少なくとも1つのガラクトースを含むN−結合オリゴ糖を有するタンパク質を生成し、ここで前記オリゴ糖は前記トランス遺伝子の不在下であれば前記ガラクトースを含まない、トランスジェニックトリ。 請求項15 前記グリコシルトランスフェラーゼがガラクトシルトランスフェラーゼタイプ1である、請求項14に記載のトランスジェニックトリ。 請求項16 前記タンパク質が管状腺細胞内で生成される、請求項14に記載のトランスジェニックトリ。 請求項17 前記卵管組織の細胞は卵白の存在下で前記タンパク質を分泌する、請求項14に記載のトランスジェニックトリ。 請求項18 前記オリゴ糖が1〜5個のガラクトースを含む、請求項14に記載のトランスジェニックトリ。 請求項19 前記トランス遺伝子が、卵管に特異的なプロモーターを含む、請求項14に記載のトランスジェニックトリ。 請求項20 請求項14に記載のトランスジェニックトリによって生成される前記タンパク質を単離するステップを含む方法。 請求項21 前記タンパク質が外因性タンパク質である、請求項14に記載のトランスジェニックトリ。 請求項22 請求項21に記載のトランスジェニックトリによって生成される前記外因性タンパク質を単離するステップを含む方法。 請求項23 前記タンパク質が治療タンパク質である、請求項22に記載の方法。 請求項24 前記トリがニワトリである、請求項22に記載の方法。 請求項25 シアリルトランスフェラーゼコード配列を含むトランス遺伝子を有するトランスジェニックトリであって、ここで前記トランスジェニックトリの卵管組織は、少なくとも1つのシアル酸を含むN−結合オリゴ糖を有するタンパク質を生成し、ここで前記オリゴ糖は前記トランス遺伝子の不在下であれば前記シアル酸を含まない、トランスジェニックトリ。 請求項26 前記グリコシルトランスフェラーゼがガラクトシルトランスフェラーゼタイプ1である、請求項25に記載のトランスジェニックトリ。 請求項27 前記タンパク質は管状腺細胞内で生成される、請求項25に記載のトランスジェニックトリ。 請求項28 前記卵管組織の細胞が卵白の存在下で前記タンパク質を分泌する、請求項25に記載のトランスジェニックトリ。 請求項29 前記オリゴ糖が1〜5個のシアル酸を含む、請求項25に記載のトランスジェニックトリ。 請求項30 前記トランス遺伝子が卵管に特異的なプロモーターを含む、請求項25に記載のトランスジェニックトリ。 請求項31 請求項25に記載のトランスジェニックトリによって生成される前記タンパク質を単離するステップを含む方法。 請求項32 前記タンパク質が外因性タンパク質である、請求項25に記載のトランスジェニックトリ。 請求項33 請求項32に記載のトランスジェニックトリによって生成される前記外因性タンパク質を単離するステップを含む方法。 請求項34 前記タンパク質が治療タンパク質である、請求項33に記載の方法。 請求項35 前記トリがニワトリである、請求項33に記載の方法。 請求項36 トリにおいてタンパク質を生成する方法であって、ここで前記タンパク質は前記トリに対して外因性であり、グリコシルトランスフェラーゼをコードするトランス遺伝子を有するトランスジェニックトリを生成するステップを含み、ここで前記トリの卵管組織は、第2のトランス遺伝子によってコードされかつガラクトースおよびシアル酸の少なくとも1つを含むN−結合オリゴ糖を有する外因性タンパク質を生成し、ここで前記オリゴ糖は、グリコシルトランスフェラーゼをコードする前記トランス遺伝子の不在下であれば前記ガラクトースおよび/またはシアル酸を含まない、方法。
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